研究課題/領域番号 |
16390360
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角 昭一郎 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (80252906)
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研究分担者 |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
砂村 真琴 東北大学, 病院・講師 (10201584)
山本 祐一郎 京都大学, 大学院医学研究科, 助教授 (60283610)
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キーワード | 幹細胞 / 糖尿病治療 / バイオ人工膵 / β細胞 / 膵再生 / 膵切除 / 再生医療 |
研究概要 |
幹細胞研究では、マウス胚性幹(ES)細胞からの膵島様細胞分化誘導研究(既報)の過程で得られた神経様細胞をパーキンソン病モデルマウスに移植したところ、症状の改善が見られた。一方、体性幹細胞では、骨髄由来細胞から膵島様細胞の分化誘導を試みたが明確な結果は得られず、膵島細胞と骨髄間葉系細胞との電気的細胞融合の可能性を検討している。また、膵管上皮を培養するとインスリン産生細胞に分化する事を見いだし、この現象の詳細を検討中である。 膵再生研究では、ラット膵切・膵管結紮モデルの長期的比較検討により、膵外分泌不全のみ(膵管結紮)に起因する膵再生促進因子の影響は一過性であり、膵切除後の残膵が再生状態を維持するためには、膵切に付随する高血糖など他の要素が必要である事が示された。 バイオ人工膵の研究では、膵島凍結保存法を応用して、PET (polyethyren tetraphutarate)メッシュを補強材としてPVA (polyvinyl alcohol)凍結ゲル化法による新規のマクロカプセル型デバイスを作製し、in vitroで膵島の形態と機能を良好に維持できることを確認するとともに、in vivoの糖尿病治療実験で高血糖是正効果を確認した。さらに、このバイオ人工膵移植により、インスリン依存性糖尿病マウスの腎障害が軽減され、生存率が改善することを示した。 さらに、膵島の機能向上を目指した研究として、移植膵島機能を障害する重要な因子であるアポトーシスに注目し、分離膵島の保存実験を行ったところ、アポトーシスは分離直後の膵島ですでに進行傾向がみられ、培養条件下では急速に進行するが、臓器保存液であるUniversity Wisconsin液中での冷保存ではこれが有意に抑制される事を確認した。
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