研究課題/領域番号 |
16390363
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 俊朗 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40263264)
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研究分担者 |
内山 安男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10049091)
廣田 誠一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50218856)
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キーワード | 消化管間質腫瘍 / 二次耐性 / イマチニブ / KIT遺伝子 / PDGFRα遺伝子 / 一次耐性 / スニチニブ |
研究概要 |
現在まで、26例のイマチニブ耐性所見を示すGISTの手術±RFA治療を行い(1).耐性GISTの臨床像、外科手術±RFA治療の臨床治療効果と安全性、(2).腫瘍組織でのKrr、PDGFRαタンパク質の発現状態とKIT、PDGFRαタンパク質下流のキナーゼの活性化、(3).KIT、PDGFRα遺伝子の遺伝子変異の有無を検索した。 (1).耐性発生時の臨床診断は主にCTで行われ、CTによる画像所見としては、1.Enlargement(14例)、2.a nodule in a mass(11例)、3.new lesion(3例)認めた。一部の症例では1〜3の所見を別々の部位で複数個認めた。部分耐性に対する外科切除は術後のイマチニブ併用治療を行う事で約6月のPFSの延長を認めたが、全身性耐性に対しては治療効果を認めなかった。特に、耐性病変数が1〜2個の完全切除例に対しては6月以上のPFSの延長を認めた。 (2).効果病変は液状化変性(硝子化変性)を示し、耐性GISTは全て投与前と同じくHE染色でspindleないしepithelioidの腫瘍細胞を認め、免疫組織染色ができた全ての耐性病変でKITタンパク質の強発現を確認した。また、KIT下流キナーゼ系(AKT系, MAPK系)の活性化も認めた。 (3).20例に初発時認められたKIT遺伝子変異に加え、KIT遺伝子の同じアリル上で、キナーゼ領域(エクソン13に11例、エクソン14に1例、エクソン17に10例)に耐性型のsecondary missense mutationを認めた。4例で、多クローン性の耐性を認め複数の二次遺伝子異常を認めた。残りの内5例では一次遺伝子異常のみで、1例は遺伝子検索不能であった。 以上より、標的治療薬イマチニブ、スニチニブに対する効果は標的遺伝子変異と関連し、その耐性の機序として標的分子の二次遺伝子変化が重要である事が示唆された。
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