研究課題/領域番号 |
16390365
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 助教授 (60322244)
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研究分担者 |
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 助手 (00322248)
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キーワード | 大動脈瘤 / 動脈硬化 / c-Jun N-terminal kinase / JNK / 動物モデル / 治療 / JNK阻害薬 / 退縮 |
研究概要 |
腹部大動脈瘤罹患率は本邦においても増加傾向にあるが、外科手術が唯一の治療法である現状では、破裂死亡数の大幅な減少は期待できないため、病態解明と、より理想的な治療法開発が急務である。最近我々は、代表的ストレス応答分子c-Jun N-ternimal kinase (JNK)が、ヒト大動脈瘤において著明に活性化していることを見出し、その標的遺伝子を全ゲノム的に探索した。その結果、JNKは、MMP-9活性亢進と細胞外マトリクス産生低下を同時にもたらし、細胞外基質代謝を崩壊の方向に統合的に制御するキー分子であることを発見し、JNKこそが大動脈瘤治療における理想的な標的分子と考えるに至った。 初年度の研究で、塩化カルシウム惹起慢性炎症による大動脈瘤モデルにおいて、JNK阻害により効果的に大動脈瘤形成を予防できるのみならず、一旦完成した大動脈瘤の退縮をも達成できることを証明した。今年度は高脂血症と高血圧を基礎病態とする大動脈瘤モデルについて、検討を行った。ApoEノックアウトマウスにアンジオテンシンIIを持続投与することにより形成される大動脈瘤を動物モデルとして用いた。アンジオテンシンII持続投与の4週間後には腎動脈直上に大動脈瘤形成を認めた。その後さらに8週間経過しても瘤径に変化は無かったため、アンジオテンシンII投与後4週間の時点で大動脈瘤は完成したものと考えられた。この大動脈瘤が完成した時点でJNK阻害薬の投与を開始したところ、8週間後には大動脈径は、ほぼ元のサイズにまで縮小したことから、JNK阻害の治療的有効性が、高脂血症、高血圧を基礎病態とする大動脈瘤モデルでも証明された。
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