研究課題/領域番号 |
16390366
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
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研究分担者 |
斎藤 拓朗 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20305361)
佐藤 佳宏 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60347218)
土屋 貴男 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70343390)
寺島 雅典 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (40197794)
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キーワード | 再構築膵島 / 混合移植 / 骨髄細胞 / 骨髄膵幹細胞 / PDX-1 / ストレプトゾトシン / GFPマウス |
研究概要 |
膵島移植によりI型糖尿病の治療が実施されているが、その中で解決すべき大きな問題の一つは一人のドナーから一人のレシピエントの血糖を制御するに足りる十分量の膵島が分離されないことである。本研究は骨髄細胞の膵島再生への関与を膵島再構築モデルで検討し、骨髄膵幹細胞による糖尿病治療の可能性を探ることである。B6マウスの膵島を単一な細胞に分散後、再構築されるin vitroの系において、GFPトランスジェニックマウス由来骨髄細胞を混合すると、骨髄細胞がこの再構築膵島に取りこまれ、しかも、内分泌細胞に特異的な抗体で染色されることが明らかとなった。しかし、このシステムでの効率は低いことから、次にin vivoでの可能性を検討した。B6マウスの膵島400個とGFPトランスジェニックマウス由来骨髄細胞3×10^6個とを混合しstreptozotocin糖尿病B6マウスの腎皮膜下に移植したところ、高血糖からの回復は膵島のみに比しやや遅れるが、混合移植全例で長期にわたり正常血糖が維持されることが明らかとなった。移植後10日目に腎を摘出し免疫蛍光染色し蛍光顕微鏡及び共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、膵島細胞の中にGFP陽性細胞が存在し、しかも、前駆細胞から膵内分泌細胞への分化の過程で特徴的に発現が認められるPDX-1蛋白の存在が多数の細胞で確認された。一方、線維芽細胞に対するFSP1(fibroblast specific protein 1)抗体、血管内皮細胞に対するFactorVIII抗体により認識される細胞は少なかった。今後、この系を用いてさらに骨髄細胞の膵島細胞への分化過程を検討する。
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