研究課題/領域番号 |
16390368
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古川 博之 北海道大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (70292026)
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研究分担者 |
藤堂 省 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (60136463)
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
嶋村 剛 北海道大学大学病院, 助教授 (00333617)
尾崎 倫孝 北海道大学, 大学院医学研究科, 特任助教授 (80256510)
山下 健一郎 北海道大学大学病院, 医員 (00399940)
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キーワード | NF-κB / T細胞 / 免疫抑制 / DHMEQ / 拒絶反応 / マウス |
研究概要 |
昨年、新しいNF-κB阻害剤であるDehydroxymethylepoxyquinomicin (DHMEQ)を用い、小腸虚血再灌流障害におけるNF-κB活性阻害の効果を検討した。今年度は本剤によるNF-κB活性阻害が急性拒絶反応を抑制し得るか検討した。C57BL/6マウスT細胞を抗CD3抗体+抗CD28抗体で刺激するin vitro実験では、DHMEQ(1-10μg/ml)を細胞培養液中に添加するとCD4+T細胞上の活性化表面マーカーであるCD69、CD25の発現および増殖(^3H-Thimidine uptake)は用量依存性に抑制された。また、T細胞活性化に伴い産生されるIL-2やIFN-γなどのサイトカインも抑制された。これらの所見はアロ脾細胞を用いた混合培養の系でも同様であった。BALB/c(H-2^d)からC57BL/6(H-2^b)への全MHCミスマッチマウス心移植モデルにおいて、DHMEQ(10-40mg/kg)を2週間(連日)もしくは4週間(週3日)投与したところ、グラフトへのT細胞浸潤は抑制され、その生着期間は用量依存性に延長した。更に、tacrolimusとの併用によりNFATをNF-κBを同時に阻害する事で、in vitroおよびin vivoにおいて相乗もしくは相加効果が認められた。DHMEQによるNF-κB阻害では、虚血再灌流障害のみならず急性拒絶反応も抑制することが見いだされ、小腸移植において将来的に本剤の臨床応用が期待される。
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