研究課題/領域番号 |
16390374
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
杉原 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10171167)
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研究分担者 |
榎本 雅之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60301165)
植竹 宏之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (60311651)
樋口 哲郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90334416)
吉村 哲規 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00431908)
小林 宏寿 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (70451953)
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キーワード | cyclooxygenase / COX-2 inhibitor / colorectal cancer / live matastasis / angiogenesis |
研究概要 |
COX-2は血管新生や血管新生因子の産生に関与している。COX-2阻害剤は大腸癌を含め多くの癌においてその増大を押さえている。我々は、ラットを用いて大腸癌肝転移を作成し、COX-2阻害剤であるMeloxicamを投与し、その影響を調べると共に、微小血管との関連を検討した。方法:ラットの門脈からRCN-H4大腸癌細胞を注入して肝転移を作成した。14日目に大動脈から肝動脈へ鋳型剤を注入して肝転移の血管鋳型を作成し、走査電子顕微鏡と立体顕微鏡で観察した。ラットは、対照群と、Meloxicam投与群(0.6,1.0,3.0mg/kg/day)とに分け、5日/週x2週投与した。結果:肝転移巣の数はMeloxicam投与群で有意に少なかった。Meloxicamは腫瘍の大きさを減少させた。Meloxicamの投与量が増大するにつれ、肝転移巣内の新生血管密度が減少した。これらからMeloxicamは血管新生を阻害することで肝転移巣の成長を抑えていると考えた。 また、169例の胃癌を対象として、VEGFとCOX-2,microvascular density (CD34による)の関連を調べた。COX-2は36.7%に、VEGFは50.3%に発現していた。VEGF発現とCOX-2発現に、また、VEGF発現とMVDに相関を認めた。VEGF発現は深達度、リンパ節転移、脈管侵襲、進行度と相関していた。VEGF発現症例では陰性例に比べ、無再発生存と全生存が有意に不良であった。多変量解析では、癌の部位、深達度、リンパ節転移が、独立した予後に関連した因子であった。これらからVEGFは胃癌において血管新生と腫瘍増殖に関与すると考えた。
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