研究課題/領域番号 |
16390377
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 誠二 京都大学, 医学研究科, 講師 (00303834)
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研究分担者 |
長谷川 傑 京都大学, 医学研究科, 助手 (10362500)
嶌原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
岸本 通雅 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (00144436)
福島 雅典 京都大学, 医学研究科, 教授 (80107820)
松井 茂之 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80305854)
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キーワード | 肝細胞癌 / マイクロアレイ / 定量的RT-PCR / LOH |
研究概要 |
研究1 我々は、肝細胞癌のmicroarray解析を行い、肝癌に関連する約500遺伝子群を同定している(Cancer Res.2001;61:2129)。 今回、より精度の高い2次スクリーニングを行い、肝癌術後早期の再発に関連する遺伝子群の同定と、術後再発の予測システムの構築を行った。 対象症例は当教室で根治手術が行われたStageI〜IIIの肝細胞癌47症例、対象遺伝子はアレイデータベースから選抜した129の肝癌関連候補遺伝子+既知の肝癌関連20遺伝子とし、TaqMan PCR法を用いて、より精度の高い遺伝子発現プロファイルを作成した。 次に、47症例をモデル構築用の25症例とモデル評価用の22例に分割し、術後早期の肝内再発予測モデルを構築した。モデル構築用の25例に対しDiscriminant anaiysisを行い、15遺伝子からなる肝癌術後再発の予測モデルを構築した。この15遺伝子の中には細胞周期・転写を促進する方向に働く遺伝子が含まれていた。独立した22症例での評価では、感度75.0%、特異度72.7%の精度で再発の有無を予測可能であった(投稿準備中)。 研究2 肉眼的にheterogenousで、かつ組織学的に分化度が異なる部分を有する肝細胞癌17症例を対象とし、168のmicrosatellite markerを用いてLOH解析を行った。その結果12症例がモノクローナルであった。この症例の分化度ごとの解析から、高分化型肝癌では主に17p,8p,6qにLOHを認め、癌化の初期の段階に関連する遺伝子が含まれると考えられる。一方21q、4p、14qは高分化型から中低分化型への脱分化に伴ってLOHを認めたarmであり、肝癌の進行に関連する遺伝子群が含まれると考えれる(投稿準備中)。今後、これら領域の詳細な検討により、肝癌の癌化・進行に関連する遺伝子の探索を行う予定である。
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