研究分担者 |
藤野 泰宏 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30335450)
谷岡 康喜 神戸大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (00372649)
酒井 哲也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (80372647)
黒田 嘉和 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178143)
|
研究概要 |
今年度、膵島移植に関する基礎実験として以下の検討を行った。 1.膵島分離前の膵臓の二層法保存による、その後の膵島収量や機能の向上効果を極めて客観的な手法で証明し、その結果を報告した(Transplantation, in press)。 2.分離膵島に24時間の二層法培養を行い、分離課程で障害を受けた膵島機能の改善効果をin vitroで証明し、報告した(Hepato-Gastroenterol, in press)。 臨床での膵島移植に関しては、今年度2例の心停止ドナーから摘出した膵臓に短時間の二層法保存を行い、その後膵島分離を行った。1例目のドナーは15才男性で、心停止後温阻血時間は1分、冷阻血時間は315分、二層法保存時間は293分であった。結果、消化後の収量は378,383IEQであったが、純度30%以下と純化不能であり移植には至らなかった。2例目のドナーも15才男性で、温阻血時間は3分、冷阻血時間は300分、二層法保存時間は209分であった。結果、収量は消化後301,517IEQ、純化後291,084IEQで体重49kgの30才台の女性レシピエントに移植を行うこととなった。純化から移植のすべての準備が整うまでに人アルブミン添加RPMI-1640を培養液とし、37℃、5%CO2下にovernight(16hrs)で標準培養(コントロール)を行った。培養後の収量は258,816IEQで、最終的に252,816IEQの膵島が移植された。純度はpure fractionが95%、unpure fractionが40%であった。また%Viabilityは83%、Stimulation Indexは2.71であった。
|