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2006 年度 実績報告書

二層法を用いた生体膵島移植の実験的、臨床的検討

研究課題

研究課題/領域番号 16390379
研究機関神戸大学

研究代表者

黒田 嘉和  神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70178143)

研究分担者 藤野 泰宏  神戸大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (30335450)
谷岡 康喜  神戸大学, 大学院医学系研究科, COE研究員 (00372649)
酒井 哲也  神戸大学, 医学部附属病院, 特定助手 (80372647)
キーワード膵島移植 / 二層法 / I型糖尿病 / 温阻血
研究概要

本研究は、臓器提供が増加しない我が国の移植医療において、避けて通れない問題である生体移植が、膵島移植においても確立しうるかを医学的見地から検討することを目的とし、極めて重要である。
我々の施設は、膵・膵島移植研究会認定の臨床膵島移植実施施設の1つであり、今までに8例の膵提供を受け、7回の膵島分離を行った。その内3回(分離成功率:43%)は、新鮮膵島移植の基準を満たしたため移植を行った。移植を受けた3人の患者さんは、血糖値が安定化し、必要インスリン量も減量することができた。この成績は、欧米の先進諸施設からのものと比べると若干低いが、欧米では脳死下の膵提供であるのに対し、我が国では心停止後であることを考慮すると、良好な成績と考えられる。
これら死体膵島移植臨床例での経験を踏まえ、我々は良好な機能を有する膵島を数多く分離すること、移植後の膵島が効率よく生着することが生体膵島移植成功の鍵を握ると考え、実験的検討を行い以下の成果を得た。
実験1:膵島分離前における2層法24時間保存では保存無しと変わらないほどの膵島収量、移植成績が得られたことを明らかとし、我々の開発した臓器保存・搬送法である二層法の必要性を証明した。
実験2:ラット膵の消化過程において、酸素化PFCを用いて(二層法の応用)温阻血状態を回避し、更にATP生成の基質であるアデノシンを添加することで、膵島収量は有意に改善する可能性が示唆された。
実験3:膵消化におけるcollagenase膵管内注入の最適法について検討し、80mmHgでのLower-pressure controlled injectionは膵島分離における膵島への障害を最小限にすることで、収量を上げるとともにqualityの低下を最小限にすることを明らかにした。
実験4:酸素化したPFCを腹腔内に投与することで門脈血の酸素分圧が上昇し、移植膵島の生着改善効果を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Intraperitoneal injection of oxygenated perfluorochemical improves the outcome of intraportal islet transplantation in a rat model.2006

    • 著者名/発表者名
      Sakai T, et al.
    • 雑誌名

      Transplantation Proceedings 38・10

      ページ: 3289-3292

  • [雑誌論文] Application of the two-layer method on pancreas digestion results in improved islet yield and maintained viability of isolated islets

    • 著者名/発表者名
      Goto T, et al.
    • 雑誌名

      Transplantation (in press)

  • [雑誌論文] Improved quantity and in vivo function of islets isolated by reduced-pressure controlled injection of collagenase in a rat model.

    • 著者名/発表者名
      Li S, et al.
    • 雑誌名

      Cell Transplantation (In press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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