研究課題
基盤研究(B)
1.レンチウイルスベクターを用いたヒト膵島細胞への遺伝子導入を検討し、良好な遺伝子導入が可能であった。低コストで容易に大量培養が可能なヒト膵島細胞株を樹立するにあたり、遺伝子操作は重要なツールとなる。2.膵島β細胞は膵島の内部に多く存在している。そこで、β細胞への遺伝子導入効率を向上させるために804G細胞の細胞外マトリックスを使用することで、膵島の単層化培養が促進された。3.大型動物を用いた細胞治療の効果と安全性を検討するために、膵臓全摘によるブタ糖尿病モデルの作成に取り組み成功した。当該ブタは糖尿病性ケトアシドーシスにて10日以内に全例死亡した。4.健常ヒト膵島β細胞の可逆性不死化株NAKT-15を樹立した。Cre/loxP反応にてNAKT-15細胞から不死化遺伝子を取り除くために、遺伝子導入効率の良好なアデノウイルスベクターAxCANCreを使用した。AxCANCreをNAKT-15細胞に感染させた後、復帰NAKT-15細胞をマトリゲル上で培養すると、膵島様凝集塊を形成した。5.免疫染色にて細胞質内のインスリンが染色され、インスリン産生に重要である転写因子PDX-1の発現も確認された。また復帰NAKT-15細胞ではIsl-1、Pax 6、Nkx 6.1、Pdx-1といったβ細胞に重要な転写因子とプロホルモン転換酵素1/3および2、分泌顆粒タンパク質の発現が認められた。また復帰細胞はグルコース濃度に応答したインスリン分泌が認められた。6.復帰NAKT-15細胞を用いて糖尿病モデルマウスを作成し、腎皮膜下移植したところ、全例(10例)とも血糖値のコントロールが可能で有意に生存率が延長した。経過中当該マウスは低血糖を呈することはなかった。一方、細胞移植を受けなかったマウスは全例(10例)糖尿病にて死亡した。
すべて 2005 2004
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