研究課題/領域番号 |
16390385
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30252018)
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研究分担者 |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
岩崎 剛 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10151721)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (40236914)
飯干 泰彦 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10340994)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90340968)
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キーワード | Toll-like receptor / 肝再生 / MyD88 |
研究概要 |
これまで自然免疫において注目を集めてきたTLRシグナルが、肝再生に関与している可能性に注目し、TLRシグナルのアダプター分子であるMyD88のKOマウスにおいて検討をおこなった。MyD88-/-において70%肝切除を施行すると、WTで認められた、30分からのNF-κBの活性化、2時間の肝非実質細胞におけるNF-κBの核移行は、MyD88-/-で著明に抑制され、WTにおけるIL-6およびTNF-αの産生増加も、MyD88-/-でみられなかった。さらに、肝再生時のimmediate early geneとして知られているc-fos, c-myc, c-jun, JunBの発現はWTで一過性に増加したのに対し、MyD88-/-ではこれらの発現を認めなかった。WTでは、36時間でBrdUの取り込み増加、48時間で肝細胞分裂像の増加、のピークを認めたのに対し、MyD88-/-ではこれらの増加が著明に遅れ、肝再生遅延が見られた。しかし、96時間ではMyD88-/-の肝重量はWTと同等にまでに増加した。MyD88の肝再生開始機構における重要性が認められたため、MyD88を活性化する上流シグナルを検討すべく、腸管由来のグラム陰性および陽性菌からのLPSおよびpeptidoglycanの関与を推定し、これらを認識するTLR4, TLR2のdouble KOマウス(Tlr2-/-Tlr4-/-)、およびバクテリアDNA由来のCpGオリゴ核酸を認識するTLR9のKOマウス(Tlr9-/-)において70%肝切除を行ったところ、NF-κBの活性化、IL-6の産生、BrdUの取り込み、肝細胞分裂像の増加はWTと同様に認められ、肝再生に重要なMyD88の活性化経路がこれらのTLRを介したものではないことが示唆された。
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