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2004 年度 実績報告書

感温性磁性体と回転磁場を用いた悪性腫瘍の低侵襲的温熱療法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16390389
研究種目

基盤研究(B)

研究機関秋田大学

研究代表者

小川 純一  秋田大学, 医学部, 教授 (20112774)

研究分担者 齋藤 元  秋田大学, 医学部, 講師 (20323149)
吉村 昇  秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60006674)
水戸部 一孝  秋田大学, 工学資源学部, 講師 (60282159)
キーワード温熱療法 / キュリー点 / 感温性磁性体 / フェライト / 悪性腫瘍 / 低侵襲 / 回転磁場
研究概要

背景:進行肺癌における気道内腫瘍浸潤・狭窄は呼吸困難を伴うため可及的早期の気道開大が必須であり、今後さちに低侵襲治療の進歩が望まれている.今回我々は、一定温度に達すると磁性が失われ発熱が停止する固有の物性値(キュリー温度)を有する感温磁性体を内視鏡下に腫瘍内に注入、体外から発熱効率に優れている回転磁場を印可し加温する、磁力を応用した温熱療法を考案した.本方式では体外より何回も非観血的治療を行う事が可能となりQOL改善に大きく貢献すると考えられ、その臨床応用を目的として本研究を計画した.
結果:本年度は以下の項目において研究成果をえた.
1)感温性磁性体の開発とコイルの作製
43℃のキュリー点を実現するフェライト感温性磁性体の開発に成功した.寒天ファントムによる発熱実験では粒子系150μmで十分な発熱効果を得た.また種々のコイルで発熱効率を検討した結果、loopタイプコイルが最も発熱効率に適していた.
2)回転磁場印可システムの開発
本方式は4つのコイルの磁気パルスを加える方向を変えることでパルス印可方向に磁極がそろい、その場で磁性体を回転させるものである.医療用を想定した交番磁場印加用コイルおよびPC制御による回転磁場印加システムを開発中であり、現在プロトタイプを作製、1cm金属球体の回転運動を発生させることに成功した.今後回転磁場の磁束密度、発熱効率を解明する予定である。
3)動物実験
マウスの背部皮下に腫瘍細胞を移植する実験系を確立した.今後開発に成功した感温性磁性体を用いて、腫瘍が約1cm大に成長した時点で加温実験を行い、腫瘍消退速度、発熱効果到達深度、周辺の正常組織の発熱を詳細に定量する予定である.
律速段階であったキュリー点をもつ感温性磁性体の開発に成功した現在、回転磁場システムを並行して開発し、来年度中半で動物実験を終了、その後は臨床応用にむけ研究予定である.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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