研究課題/領域番号 |
16390389
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小川 純一 秋田大学, 医学部, 教授 (20112774)
|
研究分担者 |
齋藤 元 秋田大学, 医学部, 講師 (20323149)
吉村 昇 秋田大学, 工学資源部, 教授 (60006674)
水戸部 一孝 秋田大学, 工学資源部, 講師 (60282159)
|
キーワード | 温熱療法 / キュリー点 / 悪性腫瘍 / 磁場 / 感温性磁性体 |
研究概要 |
背景:一定温度に達すると磁性が失われ発熱が停止する固有の物性値(キュリー温度)を有する感温磁性体を腫瘍内に注入、体外から発熱効率に優れている回転磁場を印可し加温する温熱療法を考案し当該研究期間内に以下の研究を行った。 結果:本年度は以下の項目において研究効果をえた. 1)感温性磁性体の媒体とコイルの作製 開発に成功した43℃のキュリー点をもつ感温性磁性体の媒体には70%キシロカインゼリーの粘性が最適であることが分った.また小型誘導加熱電源(Hot Shot 5kw^【○!R】,Ameritherm Inc)、セラミック温度センサー、人体応用可能なループ状コイルを用い、寒天中に感温性磁性体を注入し30分間の誘導加熱実験を行った.寒天中の磁性体は約5分で43℃に達し、以後昇温はプラト-となった.注入量は500mgで十分な発熱効果が得られ、粒子径は40-150μmで安定した昇温効果が得られた. 2)回転磁場印可システムの開発 本方式は4つのコイルの磁気パルスを加える方向を変えることでパルス印可方向に磁極がそろい、その場で磁性体を回転させるものである.医療用を想定した交番磁場印加用コイルおよびPC制御による回転磁場印加システムを開発中であり、現在プロトタイプを作製、1cm金属球体の回転運動を発生させることに成功した. 3)動物実験 感温性磁性体をマウス皮下に注入し生体においても43℃の安定した温熱が確認できた。またB16 melanoma cellがマウス背部皮下で1cm大に成長した時点で加温実験を行い、温熱による抗腫瘍効果が得られた。
|