研究課題/領域番号 |
16390397
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
濱野 公一 山口大学, 医学部, 教授 (60263787)
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研究分担者 |
古谷 彰 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90346552)
伊東 博史 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (90363100)
李 桃生 山口大学, 医学部, 助手 (50379997)
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キーワード | 心不全 / 骨髄幹細胞 / 血管新生 / 心筋再生 / テーラーメイド |
研究概要 |
骨髄幹細胞を用いる心筋再生治療に関しては、マウス骨髄細胞から85%以上のpurityでCD117陽性骨髄幹細胞を分離採集することが可能であった。分離採集した骨髄幹細胞をTGF-betaを添加し、培養した。培養後1〜3日目に細胞の心筋分化に特異的な転写因子(GATA4,NKx2.5)の発現が有意に上昇し、3〜7日目には細胞の心筋構造蛋白(myosin,troponin)が免疫染色法とRT-PCR法により認められた。また、5ng/mlというTGF-betaの濃度は培養細胞の心筋分化に最も適しており、100ng/mlの高濃度TGF-betaは培養細胞から骨芽細胞へ分化を誘導することも確認した。今後はTGF-betaを添加培養(preprogramming)した骨髄幹細胞をマウス梗塞心筋内に注入し、治療後の心筋再生による心機能改善効果と安全性を調べる予定である。 一方、骨髄幹細胞を用いる血管新生治療に関しては骨髄細胞の投与前低酸素培養刺激(preprogramming)によって、血管新生が高まるか否かを調べた。ラットから骨髄細胞を採集し、単核球を分離した。低酸素培養刺激(1%酸素状態)によって、骨髄細胞のVEGFとVE-cadherinのmRNAは著明に増加した。また、24時間低酸素培養した骨髄細胞をラット下肢虚血筋肉内に注入したところ、治療後の虚血下肢の血流量は培養しない細胞を注入した群に比べ有意に高値であった。骨髄細胞に対する注入前の低酸素培養刺激(preprogramming)は血管新生誘導効果を一層高めると考えられた。今後は血管新生に至適な細胞分画を選別していく予定である。
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