研究課題/領域番号 |
16390400
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研究機関 | (財)田附興風会 |
研究代表者 |
三宅 正幸 (財)田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 部長 (90250076)
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研究分担者 |
服部 登 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00283169)
広田 喜一 京都大学, 医学研究科, 講師 (00283606)
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キーワード | TM4SF / 下位遺伝子 / MRP1 / CD9 / KAI1 / CD82 / VEGF-A |
研究概要 |
テトラスパニンには、現在23種類の蛋白が同定されており、MRP-1/CD9とKAI1/CD82の両者は固形癌の癌転移抑制遺伝子としての性格を有する。これまで我々は、MRP-1/CD9、KAI1/CD82とこれらとの複合構成体は、悪性度が進むほど崩壊消失していくことを発表してきた。一方、PETA-3/CD151はこれら2者と異なり、癌の進展と共に細胞膜に出現し、インテグリンファミリー等と強固な複合体を構成していき、転移能を獲得し、転移促進遺伝子としての性格を持つことを発見した。癌細胞に逆にPET-3/CD151が高発現し、インテグリンファミリーと複合構成体を形成するにしたがって、前2者の複合構成体の崩壊を招いていくことを我々は発見した。また、これまでに我々は、このMRP-1/CD9、KAI1/CD82のトランスフェクションにより増殖抑制がかかる癌細胞株が存在するのを見つけだした。これらの株の場合、in vivoの治療実験でも同一の現象がおこり、何らかの増殖機能を持つ下位遺伝子が存在する可能性が考えられた。そこで、DNAマイクロアレイを用いて、MRP-1/CD9やKAI1/CD82の欠損している母細胞と、これらをtransfectionした恒常発現株の遺伝子を較べ、これらを比較することにより下位遺伝子の発現、及び、それへのシグナル伝達機構を調べて行き、MRP-1/CD9、KAI1/CD82の両者が遺伝子段階でVEGF-Aの発現を制御することを発見した。これまで、一部の癌細胞で転移抑制遺伝子のトランスフェクションでありながら、増殖も抑制されるという矛盾が観察されていた。MRP-1/CD9、KAI1/CD82によるVEGF-Aの発現制御は増殖抑制作用の一部の問題を解明したわけである。また、Wntネットワークに対する機能も明らかになり、少なくともWnt1の抑制に働くことが明瞭になった。
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