研究概要 |
1.腫瘍細胞とBMSCの標識法の検討 今回の実験系では、ラットグリオーマC6細胞と同じくSDラットBMSCを用いた。まず、各細胞のin vitro観察に適した標識法に関し検討した。当初、腫瘍細胞はbis-benzimide(Hoechest33342)、腫瘍細胞にはlipofection法(Trans Fast TM Trasfection Reagent, Promega)にてGreen Fluorescent Protein(GFP)遺伝子(Monster Green pHMGFP vector, Promega)を導入した。しかしGFP遺伝子導入の効率がおよそ30%程度と非常に低いことが判明したため、その後種々の色素標識を試みたが、発光の安定度、染色効率、持続時間、また今後の実験計画から最終的に腫瘍、幹細胞の両者ともPKH linker(Sigma)を用い、それぞれ緑色、赤色で標識することとした。本蛍光標識法は細胞へのダメージも少なく、約2週間安定した観察が可能であった。 2.融合能の検討 C6、BMSCともsemi-confluentの状況で細胞融合実験に供した。培地、環境は通常の条件下でおこなった。まず、C6、BMSCをPKHで標識し48時間後にトリプシン処理後、1:1比率、各々4x10^5個で共培養を開始した。24、48、72時間後に蛍光顕微鏡で観察したが融合細胞は確認できなかった。そこで混合比率、細胞数の条件を変更したが、明らかな融合を観察するには至らなかった。そこで現在ラット神経幹・前駆細胞(Neurocyto, OBS)とC6細胞との融合能に関し検討を行っている。
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