研究課題/領域番号 |
16390407
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (60144094)
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研究分担者 |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (50283362)
塚田 秀夫 浜松ホトニクス, 中央研究所, 主任部員 (10393951)
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キーワード | 共焦点レーザー顕微鏡 / 蛍光蛋白 / 生体内細胞イメージング / 蛍光色素 / イメージングファイバー / 脳虚血 / 光線力学療法 / グリオーマ |
研究概要 |
個体レベルでの詳細な細胞内・細胞間信号伝達を解析するために"Intravital Cell Imaging法"を開発することを試みた。顕微鏡下に連続して脳を観察しながら4血管閉塞(前脳虚血)を負荷できるラットのモデル(脳血流は海馬・大脳皮質ともに25%まで低下)を完成させた。標識方法としては、脳内の任意の部位に蛍光色素をmicroinjectionし観察することが可能になった。また観察方法としては、共焦点蛍光顕微鏡による脳表面の観察と、ファイバー共焦点顕微鏡[共焦点Unit(CSU21,Yokogawa)にイメジングファイバーバンドルをカップルさせたもの]による脳深部の観察が可能になった。これらの方法により、一過性前脳虚血時の脳内カルシウム反応とスーパーオキシド産生をイメージングにより検証することができた。虚血時にはスーパーオキシド産生の増加と細胞内カルシウムイオン濃度上昇が観察されたが、血流再開後のそれらの変化は、海馬と大脳皮質などの部位特異性がある可能性があり、次年度に詳細な検討を予定している。 その他関連する研究として、electroporation法(10mA、30-40V、2ms-on 98ms-off x 10)によりadult ratにおいて、脳内の任意の部位にin situで蛍光蛋白を発現させることが可能になった。また、ラット脳腫瘍モデルで、光増感剤投与後の光照射時に一重項酸素の発生をモニターし、照射エネルギーが強く一重項酸素の発生ピーク値が高く短時間しか持続しない場合には腫瘍細胞はネクローシスで、ピーク値が低く長時間発生する場合はアポトーシスで死滅することが確認できた。光増感剤による個体レベルでのイメージングは可能になったが、目標としていた「骨髄幹細胞に蛍光ラベルを施し、遺伝子導入する場合の指標になるよう移植細胞の移動を観察すること」は長期間観察可能なクラニアルウインドウの作成が難しく結果を得るまでには至らなかったので今後の検討課題である。
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