研究課題
【方法】顕微鏡下に連続して脳を観察しながら4血管閉塞(前脳虚血)を負荷できるラットのモデル(脳血流は海馬・大脳皮質ともに25%まで低下)を用いて、虚血性神経細胞死の信号伝達をin situで観察・評価した。標識方法としては、脳内の任意の部位に蛍光色素をmicroinjectionし観察した。観察方法としては、共焦点蛍光顕微鏡による脳表面の観察と、ファイバー共焦点顕微鏡[共焦点Unit(CSU21,Yokogawa)にイメジングファイバーバンドルをカップルさせたもの]による脳深部(海馬CA1領域とCA3領域)の観察を行った。【結果】大脳皮質で、一過性脳虚血時のラジカル(スーパーオキシドおよびヒドロキシラジカル)産生、消去剤によるラジカルの消退をイメージングにより検証することができた。また、虚血時(血流低下に伴う)の蛍光強度そのものの変化を補正する方法を開発し、血流の影響を加味したイメージングに評価が可能になった。虚血時にはラジカル産生は変化せず血流再開後に産生は増加することが明らかとなった。海馬では、CA1領域とCA3領域のカルシウム反応が明らかに異なり、CA1では血流再開後に持続的な細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が見られ、CA3では上昇がなかった。また関連する研究としてイメージを細くすることはできないが、光線力学療法(光増感剤投与後に光照射し腫瘍を殺傷する)時に一重項酸素の発生をモニターし、照射エネルギーが強く一重項酸素の発生ピーク値が高く短時間しか持続しない場合には腫瘍細胞はネクローシスで、ピーク値が低く長時間発生する場合はアポトーシスで死滅することが前年度に引き続きin situでも確認できた。【まとめ】Intravital Cell Imaging法はほぼ実用レベルに達したが、プラスミド導入による蛍光蛋白による観察は、細胞の機能を残しつつ蛍光蛋白を発現させる点に課題を残した。
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