研究課題/領域番号 |
16390417
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
小川 彰 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10204067)
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研究分担者 |
小笠原 邦昭 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (00305989)
井上 敬 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70326651)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | MRI / MR Spectroscopy / 拡散テンソル / 超高磁場 / 発症前診断 / 脳灌流画像 / 脳卒中 |
研究概要 |
近年我が国では脳血管障害による死亡率は治療法の進歩とともに一定の抑制を見たが、発症自体は増加の一途である。また死亡に至らなくとも要介護状態に陥る例も多い。そのため、脳卒中発症前診断の社会的要求は極めて高いと考えられる。本研究では研究用超高磁場磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging : MRI)装置を用い、拡散テンソル画像、脳灌流画像、MR spectroscopyを撮像し、白質神経線維障害、脳循環動態を画像化し、脳卒中発症前診断法の確立を目的とした。本研究の結果、拡散テンソル画像において大脳白質神経線維のFA値を定量的に評価することにより、神経障害を定量的に評価可能であることが示された。また、脳灌流画像においては造影剤を使用しない完全非侵襲的脳血流定量的評価法を確立するに至った。本手法では核医学的評価との相関も示された。さらに、脳内出血症例においては、発症早期に拡散テンソル画像を取得することにより、その後の運動機能障害予後を判定できることを見いだした。MR spectroscopyに関しても、脳主幹動脈閉塞性症例において、細胞代謝の指標とされるNAAの値が通常の画像で変化が生じる前に低下することを見いだした。これまでの報告では、脳循環予備能が低下した症例は脳卒中発症の高リスク群であるされていた。しかし、脳循環予備能は核医学的手法でもって評価する以外に方法が無かったが。本研究の結果から、超高磁場MRIを撮像することにより、脳卒中発症高リスク症例を効率よく診断することが可能となった。MRIは放射線被曝の可能性が皆無であり、安全にスクリーニングを行うことが可能であり、臨床的に有用である。
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