グリオーマ約20例について標準治療であるPAV療法を行い、その腫瘍の臨床経過をフォローするとともに、インフォームドコンセントを得て腫瘍の遺伝子解析を施行している。これまでに1p/19q欠失があって化学療法に感受性を示す腫瘍が数例存在し、これらについてさらに治療を行っている。 また、FISH解析により1p欠失を腫瘍細胞一つ一つのレベルで検出できるようになり、また、EGFR遺伝子の増幅についても同様に、部位別の頻度を検討できている。これまでの所、浸潤性の強弱とこれらの遺伝子異常のパターンについてのデータを収集し、客観的な評価が可能な手法を考慮している所である。浸潤性の評価や、発生に関する遺伝子の発現は、in situでの解析が重要と考えられ、今後これを推進していく。 2例についてはin vitroの検討が可能な継代培養が確立しており、腫瘍本体とこれらの検体の遺伝子異常の違いや、発現の差をmicroarray法どを用いて解析する準備をしている。
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