研究課題/領域番号 |
16390419
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
植木 敬介 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (20302705)
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研究分担者 |
岡田 義文 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00372897)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | glioma / oligodendroglioma / DNA microarray / genetic imbalance / chemotherapy / chromosome 1p |
研究概要 |
本研究プロジェクトにおいては、年間20例以上の悪性神経膠腫に対して摘出術を行い、染色体1p/19q/10qにおける遺伝子解析をルーチン化して組織所見とあわせて診断を行い、glioblastomaに対してはPAV療法と放射線治療、oligodendrogliomaに対してはPAV療法単独で統一した治療を行った。in vitroでの治療に伴う遺伝子発現変化の解析を行う目的で可能な限りprimary cultureを試みた。しかし、約半数は株化がうまく行かず、効率において予想した結果が得られなかった。生育したものについて遺伝子解析を行ったところ、摘出したもともとの腫瘍組織の遺伝子解析のパターンと異なるものがほとんどで、特に、1p欠失を有し、遺伝子発現的にoligodendroglioma/neuron的パターンを示すと考えられる腫瘍については、生育しないか、あるいは生育した細胞が1p欠失を持ってないという事が明らかになった。実は、この現象は、臨床的にも確認されて、oligodendrogliomaの再発において悪性化したものは、1pLOHが消失している事が2例ほどで確認され、その理由についての研究が必要である事が示唆された。 一方、東京大学先端研・油谷研究室との共同研究においては、全ゲノムにわたるalleleごとのコピー数を表示する手法であるGenome Imbalance Map(GIM)法を用いてglioblastomaおよびoligodendrogliomaの遺伝子解析を施行した。glioblastomaにおいては新たな腫瘍抑制遺伝子の存在を示唆する染色体12番長腕のきわめて狭い範囲のhomozygous deletionを認め、この領域の遺伝子について機能解析を行っている。oligodendrogliomaについては、典型的なgrade2のoligodendrogliomaにおいては1pと19qの欠失のみが見られるが、組織所見が徐々に悪性化するにつれて、他の染色体異常が加わっていく様子を明確に示す事ができ、この腫瘍の悪性度の診断に有用である事が明らかになった。臨床経過が長いために、この研究期間内に臨床データを含めた結果が出せていないので、目下継続研究を行っている。
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