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2006 年度 実績報告書

ヒトグリオーマ細胞の化学療法剤耐性機構におけるAktキナーゼ系の関与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16390420
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

広瀬 雄一  藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (60218849)

キーワードグリオーマ / Akt / DNAアルキル化剤 / 90kD Heat shock protein / Geldanamycin / 17-AAG / 薬剤感受性
研究概要

分子シャペロンの一種である90kD heat shock protein (hsp90)は、Akt蛋白の安定化に関与することが示されているため、hsp90阻害剤geldanamycin (GA)、GA誘導体17-AAG(米国で臨床試験中)および構造の異なるhsp90阻害剤radicico1のグリオーマ細胞に対する効果を検討した。GAは低濃度(0.5-1nM)で化学療法剤の細胞毒性を増強したが、GA処理はDNAアルキル化剤による細胞周期停止に影響を与えず、また、GAがDNAアルキル化剤増強効果を現す濃度ではAkt蛋白量は影響を受けなかった。したがって、GAによるグリオーマの化学療法剤感受性増強効果はAkt阻害によるものではないと考えられた。Hsp90阻害剤による化学療法剤増強効果の機序については未だ詳細は不明であるが、hsp90阻害剤がNFKB系を抑制していることを示唆する知見が得られ、本検討内容は現在論文投稿中である。
スタウリスポリン誘導体UCN-01のグリオーマに対する化学療法増感の機序にはG2チェックポイント阻害とAkt阻害の2つの可能性があったためUCN-01の作用機序の詳細な検討を計画した。同剤がDNAアルキル化剤の増強効果を示す最小濃度においてはG2チェックポイント蛋白のリン酸化抑制は認められたもの、Aktリン酸化抑制は認められず、UCN-O1による化学療法剤増強効果の機序はChk1(G2チェックポイント上流の主要キナーゼ)阻害によるものとの結論を得た。本検討結果はG2チェックポイント機構が化学療法増感法開発のための標的として有力であることを示しており、更に詳細な研究を計画中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] DNAメチル化剤temozolomideの分子薬理学2007

    • 著者名/発表者名
      広瀬雄一, 佐野公俊
    • 雑誌名

      脳神経外科 35巻・2号

      ページ: 117-129

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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