研究課題/領域番号 |
16390425
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安田 和則 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20166507)
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研究分担者 |
遠山 晴一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60301884)
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
小野寺 伸 北海道大学, 理学研究科, 学術研究員 (00359481)
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キーワード | 腱 / マトリクス / リモデリング(再構築) / 線維芽細胞 / 分子制御 / 生体軟組織 / 靱帯 / 除負荷 |
研究概要 |
(1)種々のサイトカインの投与が、種々の環境にある線維芽細胞のマトリックス合成および分解に与える効果 (1)Ex vivoにおいてTGF-β1を与えて培養した自家骨膜由来細胞をin situ凍結解凍処理前十字靭帯(関節内に存在する無細胞マトリックスモデル)に投与し、In vivoで6週間経過すると、これらの細胞は無治療群に比べて有意に再構築マトリックス(線維性結合組織)の引っ張り強度およびTangent modulesを増強させた。 (2)Ex vivoにおいて外来性線維芽細胞に対するマクロファージ遊走阻止因子(MIF)の投与は、細胞内のコラゲナーゼ転写を亢進させた. (3)In vivoにおいて家兎膝蓋腱中央欠損部に再生する線維芽細胞に対するTGF-β1の投与は、3および6週においてこれらの細胞が合成するマトリックス(線維性結合組織)の引っ張り強度およびTangent modulusを有意に増強させた。一方PDGF-BBの投与は、それらに有意の効果を与えなかった。 (2)除負荷された線維芽細胞に対する種々のサイトカインの効果 (1)除負荷を受けた膝蓋腱の線維芽細胞にはTGF-β、IL1-/3、TNF-αの発現亢進が認められ、膝蓋腱マトリックスの力学的特性は有意に低下していた。 (2)抗TGF-β抗体の投与は除負荷による膝蓋腱マトリックスの力学的特性劣化を有意に増強した。しかしTGF-β1の投与はそれに有意の影響を与えなかった。 (3)In vivoマトリックス再構築現象に対するサイトカイン投与の効果 (1)TGF-β1は凍結解凍処理ACLの力学的特性劣化を有意に抑制し、損傷を受けた膝前十字靭帯の力学的特性を有意に増強する。 (2)EGFおよびPDGFは凍結解凍処理前十字靭帯の力学的特性劣化に有意の影響を与えない。 (3)VEGFは凍結解凍処理前十字靭帯および移植腱の血管新生を有意に促進するが、力学的特性には有意の影響を与えない。
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