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2006 年度 実績報告書

胎盤由来間葉系細胞を用いた再生医療の基礎研究と間葉系細胞バンクシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16390429
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 恒夫  東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(客員教授) (50291307)

研究分担者 長村 登紀子  東京大学, 医科学研究所, 講師 (90332585)
渡辺 信和  東京大学, 医科学研究所, 産学連携研究員 (10334278)
東條 有伸  東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
キーワード臍帯血 / 間葉系細胞 / 分化能 / 再生医療 / 骨・軟骨 / 免疫寛容
研究概要

前年度まで臍帯血由来間葉系細胞の分離法を確立し、その分化能を調べてきた。臍帯血から効率よく間葉系細胞を単離するために、臍帯血の容量>60g、採集後から分離までの時間が5時間以内のサンプルにおいて、コロニーを形成する間葉系細胞の回収率約70%得られた。骨、軟骨、脂肪への分化誘導について検討したところ、骨、軟骨には分化しやすいが脂肪には分化しにくい傾向がみられ、臍帯血サンプルによっては多分化能を保持していない細胞集団もあった。骨再生動物モデル実験において、移植後8週目での移植片をHE染色したところ、正常な骨組織と同じ微細構造をもつ新生骨を形成することが確認された。軟骨再生動物モデル実験では移植後3週目で白く堅い組織が形成された。その組織のパラフィン切片を作製しトルイジンブルー染色したところ、トルイジンブルーにより赤紫色に染色され、円形の軟骨様細胞がみられた。また、軟骨細胞マーカーのタイプIIコラーゲンに対する抗体により免疫染色したところ、円形の軟骨様細胞の周囲に陽性反応が示された。このことから、臍帯血由来間葉系幹細胞はヌードマウス皮下環境において軟骨細胞への分化が増強されることが明らかになった。さらに、拒絶反応を抑制するための免疫寛容実験を行った。臍帯血由来間葉系幹細胞をPHA刺激ヒト末梢血由来リンパ球に添加し、そのリンパ球増幅を濃度依存的に抑制し、ConA刺激、混合リンパ球培養試験でも同様な抑制効果を示した。
このことから、臍帯血由来間葉系細胞は免疫寛容を誘導することが可能であり、臍帯血由来間葉系細胞から分泌される何らかの活性化リンパ球の増殖抑制因子によることが示唆された。今後、in vivoでの詳細な実験を追加するとともに、臍帯血間葉系細胞をコンスタントに得て凍結保存するシステムを開発し、臍帯血バンクシステムを利用し臍帯血中の間葉系細胞が再生医療にも有効にもなりうるべく検討をすすめていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Successful immortalization of mesenchymal progenitor cells derived from human placenta and the differenciation abilities of immortalized cells2006

    • 著者名/発表者名
      Xiaohong Zhang, et al.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research communication 351

      ページ: 853-859

  • [雑誌論文] Mesenchymal progenitor cells derived from chorionic villi of human placenta for cartilage tissue engineering2006

    • 著者名/発表者名
      Xiaohong Zhang, et al.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research communication 340

      ページ: 944-952

  • [雑誌論文] 臍帯血と胎盤組織由来細胞を用いた再生医療の可能性2006

    • 著者名/発表者名
      高橋 恒夫
    • 雑誌名

      ティッシュエンジニアリング

      ページ: 175-186

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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