研究課題/領域番号 |
16390434
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐藤 浩二郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10372434)
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研究分担者 |
高柳 広 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20334229)
朝霧 成挙 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助手 (20372435)
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キーワード | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 免疫学 / 骨代謝 / 骨免疫学 / 転写因子 / キナーゼ / コンディショナルノックアウト |
研究概要 |
骨組織は、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収のバランスによって恒常性を維持しており、骨形成に比べて骨吸収が過剰になると、骨粗鬆症、骨腫瘍(原発性及び転移性)、関節リウマチなどの炎症性骨疾患でみられるような骨量減少をきたす。破骨細胞分化因子RANKL刺激によって破骨細胞前駆細胞内では転写因子NF-κBの活性化MAPキナーゼの活性化が起こることが知られている。我々はMAPKKKであるTAK1の破骨細胞分化における役割を明らかにするために研究を開始した。昨年度までに(1)レトロウイルスベクターによりTAK1及びその変異型を破骨細胞前駆細胞に導入する実験及びTAK1の特異的阻害剤を破骨細胞前駆細胞に投与する実験から試験管内の破骨細胞分化においてTAK1が重症な役割を担うことが明らかになった。(2)破骨細胞特異的にTAK1をノックアウトするコンディショナルノックアウトの手法を用いて生体内においてもTAK1が破骨細胞分化に重要であることを示した。今年度は更にそのメカニズムの解析を進め、破骨細胞特異的遺伝子のプロモーター部位を用いたレポーターアッセイなどからTAK1がこれまでに報告されていない分子をリン酸化・活性化していることを見出した。質量分析を用いてその分子のリン酸化部位の同定に成功したため、今年度はそのリン酸化部位に変異を入れることによって当該リン酸化の意義を更に明らかにする予定である。 また、TAK1と強調的に作用することが明らかとなった別のキナーゼが破骨細胞分化において果たす役割を解析し、破骨細胞分化のマスター転写因子と考えられるNFATc1の誘導など複数の作用点を持つことを明らかにした。実際にこのキナーゼの遺伝子ノックアウトマウスは骨量が増加しており、実際に当該キナーゼが生体内で骨代謝の制御に役割を果たしていることが確認された。この内容は近日中に投稿予定である。
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