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2007 年度 実績報告書

前駆細胞からの軟骨分化誘導実験系での網羅的遺伝子発現解析と、その組織修復への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16390436
研究機関大阪市立大学

研究代表者

脇谷 滋之  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (70243243)

研究分担者 高橋 淳  信州大学, 医学部, 講師 (60345741)
キーワード未分化間葉系細胞 / 軟骨分化促進因子 / KLF9 / 関節軟骨修復
研究概要

平成18年度までの研究で、diffusion chamberに前駆細胞と骨形成因子を入れラット皮下に移植し軟骨を形成する実験系における遺伝子発現をgeneChipにより解析し、早期から発現の上昇している遺伝子を同定した。さらに、これらの上昇した遺伝子の中から転写因子に注目し19個の遺伝子を候補遺伝子として選出した。これらの遺伝子のsiRNAによる発現抑制により軟骨基質分子であるアグリカンの発現を抑える作用の強い遺伝子を5個選出した。
平成19年度は、これらの遺伝子を強制発現することにより軟骨分化を促進するかを検証した。上記の5個の中で、抑制すると最も軟骨基質発現が押さえられたKLF9を候補とした。未分化間葉系細胞株C3H10T1/2細胞に、リポフェクション法でklf9遺伝子導入した。導入によりKlf9の発現上昇を確認した。こられの細胞におけるSox9発現上昇を調べたが、上昇は確認できなかった。軟骨基質であるアグリカンmRNA発現は、PCRでの増幅自体が、導入の有無にかかわらず認められなかった。従って、KLF9を強制発現しても未分化間葉系細胞の軟骨を促進しなかった。KLF9は共役する因子を必要とする可能性が示唆され、今後、他の因子と一緒に強制発現させるなどの研究を行う必要がある。また、未分化間葉系細胞を高密度培養することにより軟骨分化が促進されることを明らかにしたが、今後、この現象と遺伝子の関係を明らかにしたい。
我々は、人の軟骨欠損修復に骨髄間葉系細胞移植が有効であることを報告したが、さらに良好な修復を得るためには、間葉系細胞の軟骨への分化を促進させて移植する必要がある。間葉系細胞を軟骨へ分化させる遺伝子が明らかになれば、それらを導入した細胞を移植することにより、さらに良好な軟骨修復が得られる可能性が高い。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Repair of articular cartilage defects in the patello-femoral joint with autologous bone marrow mesenchymal cell transplantation:three case reports involving 9 defects in 5 knees.2007

    • 著者名/発表者名
      Wakitani S, et. al.
    • 雑誌名

      J Tissue Engineering Regenerative Medicine 1

      ページ: 74-79

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High inoculation cell density could accelerate the differentiation of human bone marrow mesenchymal stem cells to chondr ocyte cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Takagi M, Wakitani S, et. al.
    • 雑誌名

      J Biosci Bioeng 103

      ページ: 98-100

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Detection of gene expression in synovium of patients with osteoarthritis using a random sequencing method.2007

    • 著者名/発表者名
      Okabe T, Wakitani S, et. al.
    • 雑誌名

      Acta Orthop 78

      ページ: 687-692

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Serum keratan sulfate is a promising marker of early articular cartilage breakdown.2007

    • 著者名/発表者名
      Wakitani S, et. al.
    • 雑誌名

      Rheumatology(Oxford) 46

      ページ: 1652-1656

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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