研究課題/領域番号 |
16390442
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田中 潤也 愛媛大学, 医学部, 教授 (70217040)
|
研究分担者 |
山本 晴康 愛媛大学, 医学部, 教授 (10092446)
今井 嘉紀 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20270689)
尾形 直則 愛媛大学, 医学部, 講師 (30291503)
鈴木 俊二 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教授 (60372728)
|
キーワード | マイクログリア / 多能性幹細胞 / 脊髄損傷 / 細胞移植 / NG2コンドロイチン硫酸ブロテオグリカン / GFAP / トランスジェニックマウス / BINCs |
研究概要 |
I 多分化能を持つマイクログリアの特性決定 マイクログリアを高濃度の血清存在下で培養を続けることにより脱分化させると、多分化能を獲得し、神経細胞やオリゴデンドロサイト、アストロサイトに変化しうることを見いだした。しかし、この分化転換率は通常数%程度とかなり低い。そのため何らかのサブタイプがマイクログリアに存在すると考え、発現するマーカーについて詳しい解析を行い、NG2コンドロイチン硫酸プロテオグリカンを発現しアルカリフォスファターゼ活性を有するマイクログリアサブタイプのみが多能性幹細胞となることを見出した。 II 中枢神経系病態モデルにおける多分化能を持つマイクログリア--BINCs 成熟ラット脊髄の圧迫損傷モデルと脳の針刺し損傷モデル、更に中大脳動脈一過性閉塞による脳虚血モデルを使い、マイクログリア様細胞が関与する損傷修復機構を詳細に検討した。損傷後早期から損傷部には多数のマイクログリアマーカー陽性細胞が存在し、盛んに増殖していた。これらの細胞の多くは神経系の多能性幹細胞マーカーを発現していた。これらの細胞を分離培養すると、神経外胚葉系細胞が高率に発生してくることが判明した。 しかし、これらのマイクログリア様未分化前駆細胞は、血液中の単球様細胞に由来すると考えられ、中枢神経系に常在する静止型マイクログリアと同一視することは困難であるとの結論し、当面BrainIba1+/NG2+Cells (BINCs)と称し、静止型マイクログリアとは区別して研究を進めることにした。 III 病態を解析するためのトランスジェニックマウスの作成 現在、マイクログリア/マクロファージマーカーのIba1プロモーター下に単純ヘルペスウイルス・チミジンキナーゼを接続したトランスジェニックマウスの作成に成功し、病態モデルの作成準備に着手した。今後BINCsを再生医療に用いていくための詳細な検討をすすめていきたい。
|