研究課題/領域番号 |
16390443
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
持田 讓治 東海大学, 医学部, 教授 (50174347)
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研究分担者 |
野村 武 東海大学, 医学部, 講師 (60246121)
大熊 正彦 東海大学, 医学部, 講師 (10317787)
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キーワード | 細胞移植療法 / 再生医療 / 椎間板再生 / 髄核細胞 / 骨髄間葉系幹細胞 |
研究概要 |
平成18年度は、椎間板再生における細胞移植療法の臨床応用化に向けて、ヒト髄核細胞および自家骨髄間葉系幹細胞(MSC)を用いたin vitroでの短期間での髄核細胞の増幅実験を中心に研究が行われた。 これまで動物実験にて我々が証明してきた自家骨髄間葉系幹細胞との共培養法がヒトの細胞にも応用可能かを検証した。我々は平成17年度から当院の臨床研究審査委員会及び医の倫理委員会の承認を得て、実際の患者から同意のもとに手術の際に得られた検体の提供を受け、同時に術中に骨髄採取をした。両者から得られた髄核細胞及び間葉系幹細胞を共培養した。その結果、個体によって多少の違いはあるものの、ほぼ全ての症例において髄核細胞の単層培養よりも共培養の方が有意に髄核細胞の増殖能亢進が認められた。また増殖させた細胞を長期間保存してもその活性をある程度維持できるという結果も得られた。更に活性化髄核細胞の染色体異常は全くみられず、免疫不全マウスへの移植でも腫瘍化は認められず、その安全性が確認された。この結果から細胞移植療法の実施にあたり体外での培養期間を短縮させ安全に施行する事が可能であると考えられた。 そして、更なるステップとしてこの移植術の対象疾患の限定、ならびに症例の選択など臨床応用に向けた具体的なプロトコール作りに着手した。当院細胞移植再生医療科との連携により得られた研究では、相対的に年齢が若い症例のほうがより活性化の高い髄核細胞を作りだすことができることが判明した。さらには検体が得られた椎間板の変性度に注目するとPfirrmann分類のGrade3以上が望ましいというデータが得られ、この結果をもとに臨床応用化に向けたプロトコールの確立と手技の開発を行っている。今後、活性化髄核細胞の移植術に関して医の倫理委員会などに申請する予定である。
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