研究課題/領域番号 |
16390453
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
澄川 耕二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60028660)
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研究分担者 |
原 哲也 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50304952)
趙 成三 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90325655)
三好 宏 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90332858)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 薬理学的プレコンディショニング / 心筋虚血再灌流障害 / 腎虚血再灌流障害 / 心保護 / 腎保護 / 心収縮能 / 心筋スタニング / 心筋梗塞 / myocardial stunning / myocardial infarction |
研究概要 |
今回の研究の目的は多臓器を標的とし、虚血再灌流障害に対する種々の薬剤の薬理学的プレコンディショニング効果と臓器特異性機序の解明および虚血再灌流障害の制御のために有用な知見を得ることである。 カルシウム感受性増強薬MCI-154がイソフルラン麻酔下の全身および冠循環動態に与える影響を、薬理学的に自律神経を遮断した慢性装置埋め込み犬で検討した。イソフルラン麻酔による循環抑制の治療にはカルシウム感受性増強薬であるMCI-154が有効であることを明らかにした。Na^+/Ca^<++>交換機構阻害薬であるKB-R7943の心筋スタニングに対する心保護効果を、犬の急性装置埋め込みモデルで検討した。KB-R7943の虚血前投与は冠血流量を変化させることなく、虚血再灌流後の左室収縮力の回復を用量依存性に改善した。心筋虚血再灌流障害に対するホスホジエステラーゼIII阻害薬であるミルリノンの保護効果をブタの急性装置埋め込みモデルで検討した。臨床使用量のミルリノンの虚血前及び再灌流直後の静脈内投与は、虚血再灌流後の左室収縮力の回復を改善させた。静脈麻酔薬であるプロポフォールが急性心筋虚血における左室収縮および酸素需給バランスに与える影響を、犬の冠動脈の微小塞栓モデルを用いて検討した。プロポフォールは急性虚血心筋における収縮力を用量依存性に低下させるものの、この変化に心筋酸素需給バランス障害は影響していないことを明らかにした。α_2アドレナリン受容体刺激薬であるデクスメデトミジンが低酸素-再酸素化による左室機能障害に与える影響をラット摘出灌流心モデルで検討した。デクスメデトミジンは、再酸素化後の左室収縮力の低下と左室拡張末期圧の上昇を有意に抑制した。ラット心筋梗塞モデルを用いて、ホスホジエステラーゼIII阻害薬であるオルプリノンのプレコンディショニング効果とその機序について検討した。オルプリノンの虚血前投与は心筋梗塞サイズを縮小させ、その効果は再灌流初期のPI3K-Aktの活性化とmPTPの抑制が関与することを明らかにした。 吸入麻酔薬イソフルランの腎臓に対する薬理学的プレコンディショニング作用を、ラットの腎虚血再灌流モデルで検討した。イソフルレン虚血前投与により、再灌流後24時間、48時間の血中尿素窒素とクレアチニンの上昇を有意に抑制し、その作用はJNKおよびERK活性の抑制により発揮されることを明らかにした。
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