研究概要 |
前立腺細胞増殖におけるefp遺伝子の役割; 前立腺上皮・癌細胞株における細胞周期のnegative regulatorである14-3-3σの発現を解析した。癌細胞は正常上皮細胞に比べ、有意にその発現が低下していた。またそのLNCaPにおける不活化にはpromotorのhypermethylationが関与していた。一方、DU145,PC3では、proteasome-mediated proteolysisが関与しており、proteasome阻害薬であるMG132の投与にて14-3-3σの発現は回復した。またベクターを用いてefp遺伝子を強制発現させた前立腺細胞株では、14-3-3σの発現低下と細胞増殖能能の亢進を認めた。 efp遺伝子ノックアウトマウスにおける前立腺形態、ならびに組織学的検討: 雄efp遺伝子ノックアウトマウス(-/-)、(+/-)、ならびにコントロールのワイルドタイプマウス(+/+)を、第2月、6月、12月、24月齢にて屠殺。前立腺をventral, dorsolateral, anteriorlobesの各部位ごとに分けて摘出した。摘出前立腺標本は重量測定、形状の観察を行った後、パラフィン包埋しHaradaらの方法に準じて(Prostate25:147,1994)、前立腺上皮、間質の形態を解析した。これまでのところ明らかな組織学的な相違を認めなかった。このため、testosterone, estradiol同時投与下飼育による形態学的変化を解析中である。
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