研究課題/領域番号 |
16390461
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
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研究分担者 |
秋野 裕信 福井大学, 医学部, 助教授 (90159335)
塩山 力也 福井大学, 医学部, 助手 (60345676)
中井 正治 福井大学, 医学部, 助手 (50372496)
佐藤 真 福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
青木 芳隆 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (30273006)
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キーワード | 脳血管障害 / 尿失禁 / 蓄尿障害 / プロスタグランジン / RNA干渉 / COX-2 / PGES / 橋 |
研究概要 |
本研究ではCOX-2/PGESに注目し、ラットあるいはマウス脳梗塞後の排尿反射亢進との相関について検討した。 1.ラットにおいてCOX-2の橋背外側被蓋での発現量をmRNAレベルで定量的に解析すると、脳梗塞作成直後にピークを認め、12時間後には偽手術群と変わりないレベルにまで戻っていた。 2.脳梗塞作成30分後にCOX-2選択的阻害薬であるNS-398を投与すると、8時間以降、膀胱容量はvehicle投与時と比べ、有意に増加し、12時間後以降もその効果は持続していた。 3.COX-2の下流に存在するPGESの発現は脳梗塞作成5時間後にそのmRNA値にピークが認められた。 4.PGDSは脳梗塞作成直後から、24時間まで有意な増加がみられた。 5.C57-BL/6Jマウスに同様の実験を行なったが、脳梗塞作成後の膀胱容量の減少、橋背外側被蓋でのCOX-2/PGESの発現はほぼ同様であった。 6.橋背外側被蓋でも、その濃度は虚血大脳皮質の約1/10程度ではあるが、PGE_2の増加がみられた。PGE_2の変化とPGES発現との間に有意な相関性が認められた。 7.NMDA受容体遮断剤MK-801投与後脳梗塞作成してもCOX-2/PGESの発現は抑制され、排尿反射亢進も抑制された。 以上の結果はラットのみならずマウスにおいても脳梗塞後、橋を中心にNMDA受容体の開口を初めとするシグナル伝達機構が、排尿反射の神経回路網を再構築して排尿反射亢進を引き起こすと考えられる。本年度はCOX-2/PGESをターゲットに実際の遺伝子サイレンシング実験を行なう。
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