研究課題/領域番号 |
16390462
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岡本 圭生 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50303780)
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研究分担者 |
小川 修 京都大学, 大学院医学研究科, 教授 (90260611)
川上 享作 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90346023)
岡田 裕作 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127062)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 精巣腫瘍 / エピジェネテノックス / 腫瘍マーカー / DNAメチレーション / ノンプリンティング / 脱メチル化 |
研究概要 |
精巣腫瘍特異的メチル化領域を探索する目的でX染色体を中心にクラスターを形成するCancer Testis Antigen(精巣特異抗原)と呼ばれる遺伝子についてその発現制御機構を解析した結果、セミノーマのゲノムはDNAのリプログラミングを受ける始原生殖細胞(PGCs)と同様と同様の非メチル化を示すが非セミノーマでは胎児胚細胞と体細胞の中間型のメチル化プロフィールを示すのではないかと考えられた。 また代表的な刷り込み遺伝子である第11番染色体上のH19,IGF2遺伝子領域の遺伝子発現パターンとH19上流のCTCF結合領域、プロモータ領域のメチル化について精巣腫瘍における詳細な検討を加えた。その結果、精巣腫瘍ではH19上流のメチル化インプリントはセミノーマ、非セミノーマともに消去されており、この結果はマウスでの始原胚細胞のメチル化消去と一致する結果であった。一方、精巣腫瘍におけるH19,IGF2の発現パターンは必ずしもH19上流のジメチル化とは一致せず、他の遺伝子の結果同様、精巣腫瘍における遺伝子制御においてはDNAのメチル化はプライマリーなものではないと考えられた。以上、H19上流のメチル化インプリントの消去という点では、精巣腫瘍が始原胚細胞由来であるとする従来の仮説に一致するものであった。 これらの結果は精巣腫瘍に固有なメチル化遺伝子を見出し、特異的メチル化DNAマーカーを作成することが困難であることを意味するものである。そこでわれわれは逆に精巣腫瘍にみられる低メチル化を利用してDNAマーカーを作成出来ないかと考え、精巣腫瘍で発現のみられるXIST遺伝子自身のpromoter領域領域に注目することにより、本来女性にしか存在しないXIST promoterの非メチル化DNA断片が精巣腫瘍患者血清中に検出されることを証明した。これら一連の精巣腫瘍研究の成果に関してコペンハーゲン国際精巣腫瘍ワークショップで、招請講演を行い、また総説も国際誌に記した。
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