研究課題
基盤研究(B)
第1の目的は腎癌のmicroarray解析を行い増殖因子を探索することである。東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターとの共同研究で、ヒト腎癌で高発現し血中に分泌している胎児性蛋白HIG2を発見した。HIG2はヒト腎癌で発現し、増殖因子としても働くが、分泌蛋白であり抗体でヒト腎癌の増殖を抑制できる。ヒト腎癌患者の血中で検出できるため、ヒト腎癌の腫瘍マーカーとして期待される。第2の目的はVHL遺伝子異常を持つ腎癌を用いて特異的にメチル化遺伝子を同定することである。メチル化遺伝子は多くが癌抑制遺伝子で何かの増殖因子を抑制している。本体は未解明でRASSF1Aのみが40%の腎癌でメチル化が判明している。今回、札幌医科大学豊田講師と共同研究で、ヒト腎癌DNAをスクリーニングしてMIRC-1、-2、-3、-4が腎癌のみでメチル化を受けていることを観察した。この中で機能解析した遺伝子MIRC-1はHomeobox遺伝子、HOXB13であり、これはヒトの腎臓尿細管のみに発現している。強発現でヒト腎癌にApoptosisを誘導し、将来これで遺伝子治療が可能と考えられる。ヒト腎細胞癌組織の30%でメチル化をうけている。このメチル化を受けた遺伝子群を用いて血液や尿中よりこれらのメチル化遺伝子群を同定することで腫瘍マーカー応用も可能である。第3の目的はVHL遺伝子異常を持つ腎癌を対象としてDNA comparative genomic hybridization(CGH)microarray(CGH microarray)を用いてゲノム上での微少レベルで遺伝子の増幅、欠失を明らかにすることである。東京医歯大難治疾患研究所稲澤譲治教授とCGH microarray解析を行い、ヒト腎癌においてDNA上で微少欠失領域の同定を試みた。30細胞株でも有意な遺伝子やDNAの欠失の同定は行えなかった。
すべて 2006 2005
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