研究課題/領域番号 |
16390467
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
金武 洋 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (50100839)
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研究分担者 |
酒井 英樹 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40235122)
井川 掌 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (40295069)
宮田 康好 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (60380888)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | EPレセプター / 前立腺癌 / TNMステージ / 細胞増殖 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
前立腺生検によって前立腺癌と診断された122名について、免疫組織学的にEPI-4レセプターの発現について検討したところ、EPI、2、4レセプターの発現は、非癌腺組織に比べて癌細胞で有意に高率であることがわかった。ただし、EPIレセプターとEP2レセプターの癌細胞における発現の平均値が36.3%と38.眺であったのに対して、EP4レセプターの発現は平均で9.9%と低かった。 次に臨床病理学的特徴との関連を検討すると、EPIレセプターの発現はTNMstageのいずれとも関連しており、悪性度を表す指標の1つであるGleason's scoreが高いほどEPIレセプターの発現率も高かった。一方、EP2、EP4レセプターについてはTNMstageとの関連は見出せなかった。GHeason'sscoreについては、EP2レセプターは有意な関連を認めたが、EP4レセプターについては関連していなかった。また、癌細胞の増殖との関連を見るために、抗Ki-67抗体を用いたproliferation index(PI)との関連を検討すると、EPIレセプターとEP2レセプターの発現は有意な相関を示したが、他のレセプターは相関していなかった。 さらに、前立腺癌細胞以外にも、EP2レセプターを発現した細胞(免疫担当細胞と思われる)が癌細胞の周囲に多く存在することに気付いた。現在、その臨床的意義やその細胞が何であるのかを詳細に検討しているところである。 このように、ヒトの前立腺癌に発生や進展にEPI、2、4レセプター、特にEPIレセプターが関与している可能性が示された。この結果を基に、前立腺癌発症トランスジェニックマウスにおいても各EPレセプターの発現を検討すると共に、EPレセプターの癌発生時における発現の変化や、EPレセプター阻害剤を投与した場合の病態の変化について検討を進めている。
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