研究課題/領域番号 |
16390468
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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研究分担者 |
田中 基幹 近畿大学, 医学部, 講師 (30347562)
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00133207)
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
上島 成也 近畿大学, 医学部附属病院, 助教授 (60213336)
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キーワード | 腎細胞癌 / CA9 / ペプチドワクチン |
研究概要 |
我々は腎癌で高頻度に発現しているCA9抗原のHLA-A24拘束性ペプチドワクチン3種類(CA9 p219、p288、p323)を開発し、難治性腎癌患者23名に対し臨床研究を施行したところ、特異的CTL誘導と共に転移巣の縮小を示したresponderを認め、本ワクチン療法が安全かつ有効であることを示した(Clin Cancer Res,2006)。その際得られた免疫学的結果から、特異的免疫誘導までに3ヵ月以上要し、臨床効果は6ヵ月以上必要であることから、より迅速に特異的キラー細胞が誘導できるペプチドワクチンの開発が望まれると考えられた。既存の各ペプチドのMHCクラスI分子に対する親和性を調べたところ、p288、p323は比較的高いもののp219は予想した親和性に反し非常に低いものであった。そこで我々は、既存のペプチドワクチンに加え新規ペプチドおよびCA9p219,p288の改変型ペプチドをさらに25種類作製し、より優れたペプチドワクチン開発を目的に、まずMHCクラスIに対する親和性をMHC stabilization assayにて検討した。結果は6ペプチドで親和性が高く、次に、癌ワクチンとしての有用性を検討するために、腎癌担癌患者の末梢血より得られたserumと有核細胞を用いて各ペプチドに対する抗IgG抗体の定量とCTLアッセイを行ったところ、オリジナルペプチドワクチンに比較し、高いCTL誘導能を示すペプチドを同定することができた。これら新しいペプチドの癌ワクチンとしての有用性について、CIR24細胞を用いたペプチド特異的CTL誘導能と、^<51>Cr release assayにてCA9陽性HLA-A24陽性癌細胞SW620に対する殺細胞効果などを評価している。また、HLA-A0201おとびHLA-A3 familyのペプチドについても検討中で、すべてのHLAタイプで使用可能なpatient-oriented vaccine開発を目指している。
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