研究概要 |
(1)SBP遺伝子のステロイドホルモン産生におよぼす作用 ステロイドホルモン産生細胞である卵巣顆粒膜細胞KGN細胞および副腎癌細胞H295R細胞を用いて、SBP遺伝子の発現を強制発現あるいはsiRNA法によりSBP遺伝子発現を抑制し、StAR遺伝子およびステロイドホルモン産生の関連遺伝子であるcholesterol side chain cleavage(P450scc),17α-hydroxylase/17,20-desmolase(P450c17)およびaromatase(P450arom)の発現を解析した。その結果、ステロイドホルモンの産生関連遺伝子の発現と蛋白質レベルは、SBPの発現と独立していることを明らかにした。 (2)無精子症とSBP遺伝子の関連 非閉塞性無精子症および乏精子症の患者のSBP遺伝子変異をRT-PCRとダイレクトシークエンス法により解析した。SBP蛋白質構造の変化が無精子症との関連に相関することを明らかにした。 (3)細胞死の解析 siRNAによりSBPの発現を抑制すると、培養細胞は細胞死を起こす。細胞毒性テストによりLDHおよびCaspase-3/7の酵素活性を測定し、細胞死のメカニズムについてアポトーシスかネクローシスを解析した。細胞死のメカニズムとしてはアポトーシスであることが判明した。 (4)SBP関連蛋白質 イーストのハイブリット法によりSBP蛋白質と結合する蛋白質を解析した。候補蛋白の局在を同定し、SBPがエンドゾームに局在することを明らかにした。
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