研究課題/領域番号 |
16390476
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下屋 浩一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40291950)
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研究分担者 |
木村 正 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90240845)
金川 武司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40346218)
福田 裕償 国立循環器病センター(研究所), 医師 (40324751)
筒井 建紀 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294075)
天満 久美子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60397718)
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キーワード | 羊水過少 / 胎児死亡 / 子宮内胎児発育不全 / アクアポリン / S100B蛋白 |
研究概要 |
過期妊娠における羊水過少は、胎児新生児に様々な悪影響を与えるが、羊水過少のメカニズムについては不明な点が多く、本研究では過期妊娠モデルマウスを用いて羊水過少に関与する因子を見いだすことを目的として検討を行った。Prostaglandin F2alphaノックアウトマウス(PGF2R KOマウス)および正常マウスから妊娠各時期における羊水、卵膜、胎盤、胎児および母体血を採取し蛋白およびmRNAを回収し、水移送関与する因子としてアクアポリン(AQP)に注目し、その発現解析を行った。昨年度の研究成果によりAQP8蛋白の発現が過期産において有意に低下していることを見いだしており、本年度は更にAQP1に関してマウスの早産期(day14)、正期産期(day18)、過期産期(day20)におけるAQO1蛋白の発現についてWestern blot解析および免疫組織染色を用いて検討し、羊膜の基底膜にAQP1蛋白が認められ、その発現は過期産羊膜組織において有意に増強していた。このことは、AQP1が過期産における羊水減少機構に関与していることを示唆している。これらの事実はAQP関連蛋白が羊水過少においてその病態の発生機構に関与していることを明らかとした。次に、原因不明胎児死亡の要因を解析する目的で神経組織などに広く分布するS100蛋白に注目して検討を進めた。ヒト妊娠組織において羊膜にS100B蛋白の存在をWestern blot解析、RT-PCRおよび免疫組織染色によって確認した。さらに妊娠高血圧症候群合併症例および子宮内胎児発育不全合併妊婦において羊水中S100B濃度が対照に比べて有意に上昇しており、その要因として羊膜におけるS100B蛋白の発現が増強していることが明らかとなった。
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