研究課題
基盤研究(B)
新たに見出した胎盤IgG輸送機構解明の鍵と考えられる、胎児血管内皮細胞中の輸送体(II型Fc受容体を含む小胞)の特徴付けを行った。先ず、形態学的特徴付けを行った。超高分解能蛍光顕微鏡法を開発し、解析を行った。新しい輸送体は、1)胎児血管内皮細胞のみに多量に発現し、2)顆粒様構造を呈し、3)既知の細胞内小器官のマーカー分子(エンドソーム等)を含まず、特に4)血管内皮細胞に多数存在するカベオラとは異なった細胞内構造であり、更に5)血管内皮細胞内のIgGは、カベオラでなく、主にII型Fc受容体を含む構造にその80%が存在していることを見出した。次に、生化学的特徴付けを行った。Fc受容体のクローニング解析を行い、胎児血管内皮細胞にIIb2型アイソフォームが特異的に発現していることを明らにした。細胞内小胞輸送の観点から、この小胞輸送に関与するRab蛋白の検索を進めるために、マイクロアレー解析を行った。この解析により胎盤血管内皮細胞にのみ優位に発現しているRab蛋白(Rab20,23,33,and38)を同定した。さらに、新規作製したIIb型Fc受容体細胞質ドメインに特異的に結合ずる抗体を用いて、IIb型Fc受容体-小胞のみを効率的に単離することに成功し、この小胞のプロテオミクス解析を進めた。IIb型Fc受容体-小胞を構成している分子として、Rab蛋白等の候補分子が検出されたが、その詳細な検証と小胞関連分子の機能解析は、次の研究課題として残された。また、胎盤絨毛表面の栄養膜合胞体の頂上側細胞膜のプロテオミクス解析も行い、筋ジストロフィーで細胞膜の修復に関与すると考えられているdysfbrlinが特異的に局在する、新知見を得た。IIb型Fc受容体が、胎盤の生殖免疫系でどの様な役割を果たしているのか、新たな研究の展開が期待される。
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