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2005 年度 実績報告書

受精の膜融合を制御する分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 16390480
研究機関国立成育医療センター(研究所)

研究代表者

宮戸 健二  国立成育医療センター(研究所), 生殖医療研究部, 室長 (60324844)

キーワード受精 / 膜融合 / CD9 / CD81 / 微絨毛 / チューブリン / テトラスパニン / イメージング
研究概要

哺乳動物の卵は、両生類や棘皮動物とは異なり、一個体から得られる細胞数がとても少なく、過排卵処理をしたマウスからでも20個前後が排卵されるだけである。そのために、生化学実験を行うためには、より多くの動物個体を飼育維持する必要がある。そこで本研究では、生化学実験よりも、受精前後での精子と卵の動き、および蛋白質の動態をできる限り詳細に追跡することに重点を置いた。その結果、いままで知られていなかった受精の膜融合を制御するメカニズムを発見することができた(投稿準備中)。まず、免疫染色と電子顕微鏡による観察から、野生型マウス卵ではCD9は卵細胞膜を全体にわたって覆っている微絨毛に特異的に局在するのに対して、CD9欠損卵ではほとんどの微絨毛が消失していることを見つけた。続いて、生きた卵でのCD9の挙動をイメージングするために、CD9-EGFPを発現させたCD9欠損卵(CD9-EGFP卵)を作製したところ、卵細胞膜の微絨毛が再形成され、しかも、精子との膜融合能を回復させることができた。この結果から、マウス卵では、CD9-EGFPはCD9と同等の機能を有することが示された。続いて、CD9-EGFP卵を使って、受精過程を生きた状態で観察する実験系を作ることにより、精子と卵細胞膜が相互作用する一連の過程をイメージングすることが可能となった。哺乳動物の受精過程をイメージングした研究は、本研究が始めてである。この実験系を用いて精子と卵の受精前後での挙動を観察したところ、従来の受精研究では、膜融合は精子が卵の細胞膜に結合した後に始まると考えられていたが、実際には全く異なる細胞膜間での相互認識メカニズムが存在することを示す結果が得られた。また、この膜融合の制御メカニズムが実際に機能していることを、CD9欠損卵と野生型卵を用いた再構成系によって証明することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Possible role of mouse poly(A)polymerase mGLD-2 during oocyte maturation2006

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi T, et al.
    • 雑誌名

      Developmental Biology 289(1)

      ページ: 115-126

  • [雑誌論文] A Novel Marker for Purkinje Cells, KIAA0864 Protein. An Analysis Based on a Monoclonal Antibody HFB-16 in Developing Human Cerebellum2005

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Y, et al.
    • 雑誌名

      The Journal of Histochemistry & Cytochemistry 53(4)

      ページ: 423-430

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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