研究課題
基盤研究(B)
本研究では、染色体異常を伴わない原因不明の自然流産について、X染色体の不活性化の異常やインプリントの異常など、種々のエピジェネティックな異常の関与を解明し、さらに染色体の微細欠失の関与について明らかにすることを目的にしている。今年度はX染色体の不活性化の異常を検出するために、XIST遺伝子の特定領域のFISHプローブを作製し、この遺伝子の活性をRNA-FISHにより検出する方法の確立を図った。この方法はX不活性化異常を定量的に分析する方法として有用性がある。さらに、X染色体上の2遺伝子を用いてメチル化非感受性・感受性制限酵素を用いたサザンブロット等によりメチレーションの異常の検出方法を検討した。これらの方法を確立し、原因不明の自然流産の絨毛細胞標本を用いて、X不活性化異常の有無について解析を進めてきた。異常が検出された場合にはクローニングにより異常細胞を分離し、さらに詳細な解析を行う予定である。また、マイクロアレイ-CGH法によるX染色体上の微細欠失の解析を行うための準備を進めた。微細欠失の予備的情報を得るために、多数のマイクロサテライトの多型解析により、そのマイクロサテライトを含む領域の欠失の有無を調査した。これまでX染色体及び常染色体に欠失を示唆する情報が得られている。一方、de novoの均衡型構造異常を有する自然流産の症例について、その構造異常の切断点遺伝子の特定を図った。平成16年度は染色体7と12の均衡転座を有する症例について切断点を特定するためにBAC FISHを行うとともに、類似の転座切断点の情報を収集した。これらの検体の収集及び解析は、文部科学省等三省合同による「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」等を遵守して実施した。
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