研究課題/領域番号 |
16390482
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古田 康 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60261301)
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研究分担者 |
澤 洋文 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30292006)
中丸 裕爾 北海道大学, 病院・助手 (20344509)
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キーワード | 顔面神経麻痺 / 単純ヘルペスウイルス / 水痘帯状疱疹ウイルス / ベル麻痺 / Hunt症候群 / 再活性化動態 / 病的共同運動 / ボツリヌス療法 |
研究概要 |
1.顔面神経麻痺症例におけるヘルペスウイルス再活性化動態の解析 Hunt症候群、zoster sine herpete(ZSH)、HSV-1 DNA陽性症例におけるウイルス再活性化動態を定量PCR法とペア血清検査にて解析した。その結果、顔面神経麻痺はVZVおよびHSV-1再活性化の早期から消退期まで様々なタイミングで発症することが明らかとなった。ヘルペスウイルス再活性化に伴い、ウイルスによる直接障害あるいは免疫学的機序によりウイルス性神経炎が発症し、更にそれによる神経の浮腫・絞扼・虚血が起こり、麻痺の発症に至ると考えられるが、それぞれの過程に要する時間、さらには解剖学的要因も加わることにより、様々なタイミングで麻痺が発症すると推測された。 2.非治癒症例におけるヘルペスウイルス再活性化の検討 Bell麻痺と臨床的に診断された症例のうち、非治癒例についてウイルス学的検討を行った。非治癒42例中VZVの再活性化が確認されたZSH症例が12例、HSV-1再活性化を伴っていた症例が10例認められた。また、VZVおよびHSV-1再活性化陰性の非治癒20例中6例(30%)は、抗VZV IgG値が高値または抗VZV IgM抗体の境界域での上昇を認めるVZV再活性化疑い例であった。治らないBell麻痺症例においてはVZVおよびHSV-1再活性化例が多くを占めることが明らかとなった。 3.ヘルペス性顔面神経麻痺後遺症に対するボツリヌス療法に関する検討 高度の病的共同運動が後遺症として生じたヘルペス性顔面神経麻痺9症例において、ボツリヌス療法の効果を検討した。口運動時の患側眼裂幅と健側眼裂幅の比(眼裂比)を用いて評価したところ、投与前の眼裂比に比べ、投与後は眼裂比が改善していることが明らかであった。本療法は他の方法に比較し低侵襲であり、副作用も少なく、また高い治療効果が得られると考えられた。
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