研究課題/領域番号 |
16390482
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古田 康 北海道大学, 大学院医学研究科, 助教授 (60261301)
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研究分担者 |
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
中丸 裕爾 北海道大学病院, 助手 (20344509)
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キーワード | 顔面神経麻痺 / 単純ヘルペスウイルス / 水痘帯状疱疹ウイルス / ベル麻痺 / Hunt症候群 / マイクロアレイ解析 / Sunnybrook評価法 |
研究概要 |
1.Bell麻痺症例における遺伝子発現変化 DNAマイクロアレイを用いて患者末梢血単核球における遺伝子発現を、麻痺発症時と回復期で比較した。その結果、発症時により多く発現する遺伝子、回復期により多く発現する遺伝子がいくつか検出された。中でもα-defensinは自然免疫に関与する抗菌性小ペプチドであり、細菌のみならず抗ウイルス作用を有することが判明している。RT-PCR法によりα-defensinが回復期により多く発現している症例が約30%において認められた。ヘルペスウイルス再活性化とα-defensinの発現変化について今後検討する予定である。 2.HSV-1再活性化はBell麻痺の何%を占めるのか? HSV-1再活性化症例の診断は困難であり、Bell麻痺の何%を占めるのかを直接求めることができない。そこで抗HSV抗体保有の有無とVZV再活性化(ZSH)の率から推定した。まず抗HSV抗体陰性者は全体の14%を占め、ZSHが半数の7%、残り半数がHSV,VZVが関与しないnon-HSV/VZVと診断された。抗HSV抗体陽性者においてもZSHとnon-HSV/VZVの比率が1:1と推定すると、抗HSV抗体陽性のZSHが全体の13%であり、HSV抗体陽性のnon-HSV/VZVも13%と考えられる。すなわち、残りの60%の症例においてHSV再活性化がBell麻痺発症に関与していることが推定できた。 3.顔面神経麻痺後遺症におけるSunnybrook (SB)評価法に関する検討 SB法を顔面神経減荷術および顔面神経再建術の治療成績評価に応用し、他の評価法と比較しその有用性を検討した。House-Brackmann (HB)評価法では症例の多くがgrade 3または4に分類され、減荷術・再建術後の評価法としてHB法は適切ではないと考えられた。SB法と柳原法は高い相関を示したが、柳原法は病的共同運動の評価を含まないため病的共同運動を伴う顔面神経減荷術後の症例では解離がみられた。病的共同運動を伴う症例においては柳原法よりSB法が適していると考えられた。
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