研究課題/領域番号 |
16390491
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
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研究分担者 |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60073730)
中島 捷久 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40012778)
小関 晶嗣 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80315887)
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キーワード | Bell麻痺 / Hunt症候群 / 早期診断 / 病因・病態 / 治療 / PCR |
研究概要 |
平成16年度は1)Bell麻痺患者の唾液からPCRによる病因ウイルスの同定、2)単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の再活性化による顔面神経麻痺モデルの作成について研究を行った。 その結果、Bell麻痺患者164例の唾液から16例(9%)にHSV-1のDNAが検出され、9例(5%)から水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)のDNAが検出された。また、2例からは両ウイルスのDNAが検出された。これに対して、血清抗体価からHSV-1感染が証明されたのは1例のみで、VZVは22例であった。以上のことから、HSV-1に関してはPCRがVZVに関しては血清抗体価の感度が高いことが明らかになった。 HSV-1再活性化による動物モデルの作成は、現在用いている初感染によるマウス顔面神経麻痺モデルで潜伏感染を確認した後、抗TCR抗体で細胞性免疫を抑制、あるいはウイルス接種部位である耳介を再度擦過することにより作成した。その結果、抗CD3抗体による免疫抑制や耳介の擦過を単独で施行しても顔面神経麻痺は生じなかったが、両者を同時に併用することにより20%のマウスで顔面神経麻痺を誘発することに成功した。また、耳介の擦過のみでは6匹中0匹、抗CD3抗体のみでは6匹中1匹(17%)にしか顔面神経からウイルスDNAは検出されなかったが、抗CD3抗体と耳介擦過の併用にて6匹中の4匹(67%)の顔面神経からウイルスDNAが検出された。これらの事実から、Bell麻痺がHSV-1の再活性化により生じることと、再活性化は細胞性免疫の低下と局所刺激により誘発されやすいことが明らかになった。
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