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2004 年度 実績報告書

緑内障ならびに糖尿病網膜症における網膜内神経・グリア異常相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16390499
研究種目

基盤研究(B)

研究機関神戸大学

研究代表者

根木 昭  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00189359)

研究分担者 中村 誠  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80273788)
山本 博之  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60335453)
キーワード緑内障 / 高眼圧 / 網膜神経節細胞 / アポトーシス / AKt / インスリン / IGF-1 / 糖尿病
研究概要

上強膜静脈焼灼により、ラット片眼慢性高眼圧モデルを作製した。対眼には結膜切開のみのsham-operationを行った。眼圧をウレタン麻酔下で測定後、一群では、眼球を摘出後、クライオ切片標本にし、免疫組織染色に供した。別の一群では、網膜のみを摘出後、伸展標本を作製し、terminal dUTP nick end labeling (TUNEL)染色を行った。第3群は、あらかじめ上丘にfluorogoldを注入し、1週後に同様に網膜伸展標本を作製し、網膜神経節細胞(RGC)の逆行性軸索輸送染色を行った。第4群では網膜伸展標本作成後、免疫染色を行った。第5群では網膜を摘出し、Western blottingを行った。免疫染色で標的としたのは、全およびリン酸化Akt, GFAP, MAP1a, OX42であり、Western blottingで用いた抗体は、全およびリン酸化Akt抗体、リン酸化インスリン/IGF-1受容体抗体、およびインスリンβ受容体抗体である。組織摘出時期は、上強膜静脈焼灼後3日、2週、1ヶ月、3ヶ月の時点である。
結果、眼圧は、3日後にピークとなった後、経時的に減少していたが、3ヶ月まで対眼に比べ有意に上昇していた。眼圧上昇に対応して、TUNEL染色陽性細胞数は上昇し、逆行性軸索輸送染色によりRGC数は減少しており、眼圧依存性のアポトーシスによるRGCの減少が見られた。クライオ切片ならびに伸展標本による免疫染色では、RGCが特異的にリン酸化Aktを発現しており、リン酸化Akt陽性RGCは3日後がピークで、一ヶ月後までみられた。Western blottingにより、リン酸化Aktの発現上昇に呼応して、インスリン/IGF-1受容体のリン酸化が上昇していた。慢性高眼圧ストレスによりRGCがアポトーシスを生じるが、それを代償するインスリン/IGF-1からAkt経路が、RGCにおいて賦活化されている可能性が示唆された。
また、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットに同様の高眼圧ストレスを負荷した場合、各々単独のストレス負荷よりRGCアポトーシス数が増加することから、糖尿病は緑内障性視神経障害の危険因子である総説を作製した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Diabetes mellitus as a risk factor for glaucomatous optic neuropathy.2005

    • 著者名/発表者名
      Makoto Nakacnura
    • 雑誌名

      Ophthalmologica. 219・1

      ページ: 1-10

  • [雑誌論文] Akt is activated via insulin/IGF-1 receptor in rat retina with episcleral yein cauterization2004

    • 著者名/発表者名
      Akiyasu Kanamori
    • 雑誌名

      Brain Res 1022・1-2

      ページ: 195-204

  • [雑誌論文] Optical coherence tomography detects characteristic retinal nerve fiber layer thickness corresponding to band atrophy of the optic discs.2004

    • 著者名/発表者名
      Akiyasu Kanamori
    • 雑誌名

      Ophthalmology. 111・12

      ページ: 2278-2283

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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