研究課題
本研究においては、緑内障における眼圧上昇と視神経障害の分子基盤を解明することで、新しい眼薬物療法の開発に取り組んだ。房水流出路と眼圧下降治療薬としては、流出路再建手術の臨床成績を解析して、先天緑内障などの特定の緑内障の治療において、線維柱帯切開術の有効性を明らかにし、緑内障の疾患原因遺伝子の遺伝学的解析と房水流出路への影響について解析した。さらに我々が開発したROCK阻害薬の線維柱帯細胞に対する薬理学的効果を解析して、細胞接着、遊走、ゲル収縮などの基本的細胞応答を変化させることを示し、その眼圧下降作用のメカニズムが、線維柱帯細胞の細胞骨格の変化及び接着能の変化、その細胞が産生する細胞外マトリックスの変化によるものであることが示唆された。他方、神経保護治療薬としては、白血球-血管内皮間接着関係に着目して、その眼疾患における病的意義を論じ、その抑制により、緑内障などの網膜視神経疾患に対して、神経保護効果を生じうることを証明した。さらに、病的ストレスに曝された状況で眼内において神経保護的に作用する生理活性物質が発現上昇されることを明らかにした。また、アミロイドーシスに伴う続発緑内障の分子基盤を解明して、変異トランスサイレチン遺伝子に由来する異常産物が眼内で局所産生されることが、続発緑内障の発症原因になりえることを明らかにして、その遺伝子操作技術により、常染色体遺伝子組み換えでの遺伝子治療の可能性について、実験をおこなった。
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