研究課題/領域番号 |
16390503
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大沼 直躬 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50125910)
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研究分担者 |
中川 章 千葉県がんセンター, 研究所, 所長 (50117181)
佐々木 文章 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40178661)
林 富 東北大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40125638)
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
吉田 英生 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60210712)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 肝芽腫 / 小児がん / グループスタデイー / 予後因子 / マイクロアレイ / 集学的治療 / Wntシグナル / 新規治療戦略 |
研究概要 |
1.ガイドラインプロトコールに基づく肝芽腫の集学的治療 JPLT-2プロトコールに基づき治療された肝芽腫126例の治療成績を検討した。全体での治療成績は3年累積生存率80%と良好であったが、遠隔転移症例・切除不能例の治療成績は変わらず不良であった。 2.cDNAマイクロアレイによる肝芽腫関連遺伝子の解析 肝芽腫の発生・悪性度の増強にかかわる遺伝子を探索する目的でcDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果複数の遺伝子が肝芽腫の発生・進展にかかわる侯補遺伝子として同定され、今後予後予測に応用できる可能性がみいだされた。また、より詳細なプロファイリングを目的とした肝芽腫特異的アレイチップの開発も行った。 3.肝芽腫の予後・治療抵抗性にかかわる因子の解析 胎生期肝細胞の分化と増殖にC/EBPαとC/EBPβの肝芽腫における発現解析の結果、C/EBPα高発現、C/EBPβ低発現が予後不良因子であった。薬剤耐性にかかわる因子の検討として、MRD1遺伝子の発現を解析したが、MRD1発現は高分化型肝芽腫に高く発現する傾向にあり、MRD1を発現している肝芽腫の予後はむしろ良好であった。MRD1の発現は肝芽腫の薬剤耐性獲得には関与していない可能性が示唆された。 4.肝臓におけるWntシグナル伝達経路の解析 コンディショナル・ジーンターゲティング法を用いて、マウス肝細胞においてβカテニンを欠損させたところ、canonical経路が活性化され肝腫大が認められたが明らかな腫瘍性変化はみとめらなかった。 5.肝芽腫に対する新たな油栓化学療法の検討 CDDPに変わり新規動注用プラチナ製剤SM-11355の肝芽腫に対する抗腫瘍効果につき検討した。in vivoにおける抗腫瘍効果は見られなかったが、本剤の特徴は徐放性が強いことであり、細胞内プラチナ濃度の推移の検討でもこの傾向が確認された。
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