研究課題/領域番号 |
16390526
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
脇坂 聡 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40158598)
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研究分担者 |
原田 英光 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70271210)
本間 志保 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40372627)
前田 隆史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (80324789)
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キーワード | 三叉神経中脳路核 / 歯根膜機械受容器 / 神経移植 / 再生 / シュワン細胞 |
研究概要 |
顎・口腔領域の主機能である栄養摂取など生体維持の根幹をなす顎運動は神経系により調節されている。その顎運動神経回路網の入力系である求心性神経の細胞体は三叉神経節と三叉神経中脳路核に存在している。三叉神経中脳路核ニューロンは唯一中枢神経系に存在する一次感覚ニューロンであり、他の一次感覚ニューロンと異なり、他のニューロンからのシナプス入力を受けているという特性がある。この三叉神経中脳路核ニューロンは末梢感覚受容器として歯根膜機械受容器と閉口筋の筋紡錘を支配している。これら末梢感覚受容器の発生、再生には数々の成長因子が関与している。臨床的に重篤な末梢神経損傷後の治療法として神経移植術がある。そこで下歯槽神経を対象として神経移植後の歯根膜機械受容器の再生について検索した。 ラット下歯槽神経を約5mm部分切除した。その部位に切除した下歯槽神経をそのまま戻す場合と中枢側と末梢側を逆転させて戻す場合、オトガイ神経を移植する場合、運動神経である顔面神経を移植する場合、さらに他の動物の下歯槽神経を移植する場合について下顎切歯舌側歯根膜のルフィニー神経終末の再生を観察した。その結果、部分切除のみを行った場合は切除後56日でもルフィニー神経終末が完全に再生しなかったが、神経移植を行った場合は移植神経の種類や方向に関わらず移植後42日にはルフィニー神経終末が再生していた。移植部位のシュワン細胞の分布はいずれの移植の場合もほぼ同じであった。このことから、新鮮神経移植で歯根膜ルフィニー神経終末が再生し、この際には移植神経のシュワン細胞が重要な役割をはたすことが示された。
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