研究課題
基盤研究(B)
本研究では第1段階として、融合機構の解析に最適なcell lineの開発を行い、RANKLの刺激により高頻度に破骨細胞へ分化する細胞クローン(RAW-Dクローン)を得た。第2段階としてRAW-Dクローンが特異的に発現するmRNAを遺伝子差引き法を用いて破骨細胞が特異的に発現する遺伝子の検索を行なった。第3段階として得られた遺伝子の機能の検定を行なった。同時に遺伝子欠損マウスの作成を試みた。マウスDC-STAMPのゲノムのクローニングを行い、ターゲティングベクターを作成した。ES細胞に遺伝子導入したが、安定した細胞を得ることができなかった。ターゲティングベクターのデザインを変えたものも作成し、遺伝子導入を行い検討を進めている。一方、完全型及び失失型DC-STAMPを発現ベクターpCIneoに組込みRAW-D細胞へ導入することにより、DC-STAMPの機能について検討した。RAW-D細胞へDC-STAMPを発現するプラスミドを導入すると、RANKL,非存在下での破骨細胞誘導は認めれないものの、RANKL存在下での破骨細胞形成を顕著に促進した。完全型、欠失型いずれに於いても同様の結果が得られた。DC-STAMP遺伝子の導入により核数の多い破骨細胞が形成されたことから、破骨細胞の融合段階においてDC-STAMPが重要な働きをすることが推察された。ところで、DC-STAMPの完全型及び欠失型cDNAを発現ベクターpEGFPN1に組込み、C末端にGFPを結合させた融合タンパクを作らせるようにデザインし,この発現ベクターをRAW-D細胞に導入したところ、完全型、欠失型DC-STAMPのいずれに於いてもRANKL存在下での破骨細胞形成を促進した。極めて興味深いことに、RANKL非存在下でも、TRAP陽性細胞(若干の多核細胞も)の誘導が認められた。この結果は、DC-STAMPのC末端領域に破骨細胞分化制御に関する領域が存在することを示唆するものである。なお、DC-STAMP特異的siRNAを用いた系では、破骨細胞の形成が顕著に阻害された。本研究より、破骨細胞分化、特に前駆細胞の融合段階に於いて、DC-STAMPが鍵となる分子であることが明らかとなった。
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