研究課題/領域番号 |
16390531
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
川島 博行 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40169719)
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研究分担者 |
吉澤 達也 新潟大学, 医歯学系, 助手 (40313530)
石橋 宰 新潟大学, 医歯学系, 助手 (70293214)
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キーワード | メカニカルストレス / 靭帯細胞 / 骨芽細胞 / 石灰化抑制機構 / インテグリン / Msx2 / 遺伝子発現 / OPLL |
研究概要 |
靭帯・腱の機能を維持するためには、骨組織と同様に、メカニカルストレス(MS)による刺激が不可欠である。しかしながら、靭帯や腱は通常石灰化することはない。加齢にともなって骨量(石灰化した骨)が減少し骨粗羅症を来たすことは良く知られているが、一方、靭帯や腱においては石灰化は機能障害につながる(例:脊椎後縦靭帯骨化症、OPLL)。靭帯細胞株が存在しないためその機能に関する研究は遅れていた。我々は、「靭帯/腱細胞は石灰化抑制機構を備えている」という仮説のもとに研究を進め、以下のことを明らかにした。 (1)マウス歯根膜(歯周靭帯)より樹立した靭帯株細胞PDL-L2は、生体内の歯根膜繊維芽細胞と同一の遺伝子発現パターンを示す細胞で、この発現パターンは、未熟な骨芽細胞の特徴を備えている。 (2)PDL-L2細胞は、骨芽細胞や軟骨細胞の分化に必須である転写因子Runx2を発現しているが、その転写活性が抑制されているために石灰化できない。このことは、靭帯がin vivoでは石灰化しない事実と符合する。 (3)Runx2の転写活性を抑制する分子はMsx2であり、Msx2の発現を高レベルに保つことが石灰化抑制機序の実態である。 (4)OPLL患者の靭帯骨化部では同一患者の靭帯正常部に比較して、Msx2遺伝子発現が激減しており、その程度は症状の重篤度および靭帯の石灰化度に比例していた。従って、生体内では、上記抑制機構が作動している可能性が高い。 (5)PDL-L2細胞をMS負荷下に培養しても石灰化しない(骨芽細胞は同条件下で石灰化する)。この違いは、骨芽細胞におけるMSのシグナル伝達経路インテグリン-FAK-ERK1/2-Runx2の活性化がPDL-L2細胞では負に制御されているためである。この抑制機序は上記Msx2による抑制機序とは独立して作動している。 (6)このような負の制御機構にかかわる分子の同定が進行中
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