研究課題/領域番号 |
16390535
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
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研究分担者 |
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
川上 敏行 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (80104892)
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90147637)
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (90278177)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (00360222)
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キーワード | 破骨細胞 / リポ多糖 / Nod2 / ペプチドグリカン / ムラミルジペプチド / Toll様受容体 / 骨髄マクロファージ / RANKL |
研究概要 |
多くの菌体成分の受容体としてToll-様 受容体メンバー(TLRs)が働くことが示され、菌体成分の作用の解析が急速に進んでいる。一方、ペプチドグリカン(PNG)の構成成分であるムラミルジペプチド(MDP)は,細胞内のシグナル伝達因子であるNod2を介して作用を発現する。我々は、破骨細胞形成に対するMDPの作用を解析し、以下の結果を得た。 (1)マウス骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養系において、MDPは単独では破骨細胞分化を誘導せず、活性型ビタミンD_3およびPGE_2が誘導した破骨細胞形成もMDPは促進しなかった。しかしMDPは、LPSおよびIL-1が誘導する破骨細胞形成を著しく促進した。(2)骨髄マクロファージの培養系において、RANKLとM-CSFが誘導する破骨細胞形成をMDPは促進しなかった。(3)LPS、IL-1、活性型ビタミンD_3は骨芽細胞のRANKLの発現を促進した。MDPは、LPSとIL-1が誘導するRANKLの発現を更に促進したが、活性型ビタミンD_3の作用を増強しなかった。(4)骨芽細胞は、MDPの受容体であるNod2 mRNAを発現していなかった。LPSとIL-1は骨芽細胞におけるNod2発現を誘導したが、活性型ビタミンD_3はNod2の発現を誘導しなかった。(5)Nod2のmRNAの発現をRNAiで抑制すると、MDPによる促進効果は消失した。 以上の知見より、MDPは骨芽細胞に作用し、炎症性因子LPS、IL-1およびTNFαによるRANKL誘導作用を増強し、破骨細胞形成を促進した。LPS、IL-1およびTNFαは骨芽細胞のNod2の発現を誘導し、MDPはこの誘導されたNod2を介してRANKL発現を促進する可能性が示された。
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